1月24日は朝日新聞の朝刊一面から。

自衛隊と米軍が2012年、尖閣諸島での有事を想定して共同作戦の研究案を作っていたことが分かった。
という記事です。

個人的な感想を言いますと、
こういう作戦の研究はしていて当然のことで、
寧ろしていないのならその事の方が問題であろうと思います。

しかし見る人が見れば、
これさえも「日本は戦争の準備をしていた」と言うのでしょうか。
現在の安倍政権下でなら、
多分の一級品のスキャンダルであるかのように書きたてたのでしょうね。
「やはりアベはアメリカとつるんで戦争することを考えていた」
などと、岡田さん、福島さん、志位さんあたりが言ったことでしょう。

でもこれ民主党野田政権下の話です。
だからなのか、普段なら「憲法9条云々」とか「戦争法案反対」広告を大きく載せている朝日新聞も
この記事では攻撃色があまり感じません。

そういえば不思議に思ったのが
日本のメディアはよく「尖閣国有化以来悪化している日中関係」というフレーズを使いますけど
そんなに不満があるのなら、日中関係悪化の切っ掛けを作った(と彼らは吹聴している)民主党をこそ、
メディアはもっと叩けばいいじゃないですか。

TPPとか、日中関係悪化とか、増税決定とか、福島原発事故とか
野党は政権を攻撃する材料にしていますけど、
全部民主党政権下の出来事ですからね。

まあ、閑話休題でした。


最初に書きましたが、
自民党政権であろうが、民主党政権であろうが
日本国は尖閣諸島を自国領土と公言し、
その主権を侵害する国が現実にいる以上
日米が共同で有事を想定した作戦研究を行う事は極めて当然のことだと思います。
「どこか問題でもありましたか?」
というものです。
これは「戦争の準備」などというような類のものとは全く違います。
有事が発生し自国領土を失ってから「想定外のことが起きました」では
国という巨大な「家」を護る事など到底出来っこないのです。

この点では民主党でも、鳩山、管政権とは違って
中国にハッキリと「NO」が言えた野田政権は立派であったと思います。
党は違えど、分かってる人は分かってるのです。

記事では
「研究案を含め、共同作戦に関する情報は最高機密で、日本政府があきらかにしたことはない」
とありますが、ならなぜこのタイミングでその存在があったことを
「防衛省の複数の関係者が明らかにした」のか疑問に思います。
記事を読む限り現政権を攻撃するものではないので
作戦の対象となっている中国を強く牽制する目的があったのでしょうか。
それを朝日新聞のみが大きく扱っていることが興味深くすらあります。

研究案の想定としては
「漁民などを装った武装勢力が尖閣に上陸して占拠するグレーゾーン事態から始まる」
とあり、これは先日紹介した漫画「空母いぶき」の設定に影響を与えている事が伺えます。
さらに
「占拠から奪還までの作戦を4段階に分け、防衛省の統合幕僚幹部と在日米軍司令部の幹部が組み立てた」
とあります。
今までの日本メディアにしては、随分と軍事に踏み込んだ、というよりそれを容認した報道だな、という印象を受けました。

私はこれを好感しています。
私としては日本人の多く、とりわけ所謂「左翼メディア」が
こういう日本の安全保障に関する事案を、否定することなく正面から取り上げることが出来ればいいと、そう思っています。

皆さんはどう思いますか?