平成28年最初の「今朝の一面から」は日経新聞の一面トップから。

自己再生能力を持った生物、
といえばファンタジー漫画やアニメでは良く見る事が出来ます。
特殊能力を持った亜人種が、戦闘中に腕などを切り飛ばされても
時間が経つと体から腕が生えてくる、みたいなヤツです。

そう遠くない将来、ひょっとしたら そんな夢みたいな話が、
人間社会の中で珍しいことではなくなるのかもしれない…

そんな風に思わせる記事です。

「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%A4%9A%E8%83%BD%E6%80%A7%E5%B9%B9%E7%B4%B0%E8%83%9E
2012年、京都大学の山中伸弥氏がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで
日本国内でも一躍有名になりましたが、「万能細胞」と一口にいっても具体的にはどんなものかイメージしずらいのではないでしょうか。

下記の動画は5分程でiPS細胞について分かり易く解説してくれているので
理解の一助になると思います。

「iPS細胞の解説」
https://www.youtube.com/watch?v=9b1j2mBK7Es

私はこれを見て今さらながら感動しました。凄い。

最近では、iPS細胞から「肝臓」が作れるようですね。
(「横浜市立大学 iPS細胞って何ですか」より)
http://www.yokohama-cu.ac.jp/whistle/w19ips.html

自分の体から臓器が作れ、それを移植出来るようになったならば
これはもう凄いことです。
難病で生きるために臓器移植が必要でありながら、いつ現れるか分からないドナー(提供者)を待たなければならない
そういう患者が全て救われることになるのですから。

そして
今は臓器を作り、移植するのが精一杯だったとしても、
将来的には本当に腕や足さえも切断部から生やすことが可能となるかもしれません。
ここまでくるともうファンタジーの世界です。
医学に限界はなくなったのか!と思わされますね。


しかし、
ところが、です。
次に挙げるのは「日経ビジネスオンライン」の記事ですが
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20131111/255692/

日本は再生医療の「研究」では世界をリードしていますが、
医療の現場で「実用化」という面では、欧米に大きく後れを取っているのです。

「日本は決して再生医療先進国ではない。欧米はもとよりお隣の韓国にさえ負けている。現在、欧米で承認されている再生医療製品は皮膚や軟骨を中心に10数品目あるが、日本では2品目だけである。」

とありますが、やはりこういう現実には落胆せずにはいられません。
なぜ、日本では再生医療の実用化が遅れているのかについては
医薬品・医療機器が販売承認を取得するには、人間を対象とした試験(=臨床試験)を実施し、十分な有効性と安全性を有していることを証明しなければならない、という
「高すぎるハードル」のために大手企業の参入が困難であったという事情が挙げられます。

1月3日の日経新聞の記事では
新薬事法が施行されたことにより、国の承認を得るまでの期間が大幅に短縮され
大手製薬会社のもとで再生医療品が本格生産されることを報じています。

国内の再生医療の市場規模は2020年に950億円、2030年に1兆円規模に達すると言われ
「大きくカネが動く場」にもなると考えられています。これは日本の経済成長にも利することになるでしょう。

近い将来、再生医療製品が広く実用化され、
人々が不治の病気に悩むことがない、
そんな世界が訪れることを期待せずにはいられません。