(このブログは9月20日のfacebookへの書き込みを転載したものです)

今日は全紙が一面トップで「安保法案成立」を報じていました。
その中で画像に日経新聞のものを使用したのは、...
これが一番「熱を感じない紙面」であったからです。
何となく客観的な記事が期待出来そうな気がしました。

印象としては「日経がここまで安保に賛成だったとは」
と思わせるものでした。

一面の秋田浩之編集委員の論説「抑止と外交の両輪で」は
全文こちらに転載しようかと思ったほどの文章でしたので
下記アドレスから読めますので是非一読してみてください
(但し会員限定ページなのが難ですが)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDE17H03_X10C15A9MM8000/

読めない人のために部分的に抜粋しますと

「友達が不意に暴力を受け、助けを求めてきたとする。放っておいたら自分の命まで奪われかねない場合に限り、助けてもいい。(略)内容は理に適っている。」

「日本は戦後、米軍に基地を提供する代わりに守ってもらってきた。(略)いつまでもこの関係を続けられたのなら、それに越したことはない。(略)だが残念な事にそうもいかなくなってきた。
米国にはもはや独りだけで『世界の警察』を担う力も、意思もないからだ。」

「大きな課題は中国と安定した関係を築くことだ。新法制定はこの好機になる。日米同盟が強まれば、中国から歩み寄りを得やすくなるからだ。
実際、中国は昨秋から関係改善に応じている。(略)
『日本を叩くばかりでは日米の結束が強まり墓穴を掘るだけだ。中国はそう気付いた。』
米政府筋はこう見る。」

非常に分かり易く法案の趣旨を説明していると思います。

米国の起こす戦争に巻き込まれるリスクが上昇する、というのが反対派の趣旨ではあるのですが、
それについては
『どちらがより日本にとってリスクが高いのか?』
を天秤にかけて考える必要があろうと思います。

もはや日本にとって
「このままであることがノーリスク」
なんてことはあり得ないのです。

さて

昨日の石﨑徹衆議院議員のブログに書き込まれたコメントを読んで思ったことですが

「法案(あるいは憲法改正)に関しては賛成だが
今回、政権が法案を強行採決したのは良くなかった」

という意見が割と見られました。
ああ、なるほど と思います。

しかしですが
採決については、
どうやったって ああいう形にしかならなかったと思います。

野党は始めから(暴力に訴えてでも)法案の必要性を理解し成立させるつもりがなかったのですから。

マスコミの取り扱い方も悪意があって、如何にも自民党が民意を無視し、悪どく強硬採決をしたかのような書き方をしていますが
それは悪質な印象操作であって、判断が分かれる事案について議会が多数決で物事を決定するのは民主主義の基本中の基本です。

少数派によるデモや実力行使で政治が止まる事こそ民主主義の終焉です。
(デモは専制国家において民衆が民主主義を求めて行うものです。
民主主義では投票で物事が決します。)

でも 私思うのですが、
国会の答弁における あの質問に真正面から答えず同じことを連呼して問題をはぐらかすような「官僚答弁」は
国民の理解を妨げる最たる要因であると思います。
結構野党の質問って的を得ているものもあるのですから。

むしろ私は議員がアドリブで
「ご指摘は御尤もですが、それが何か問題でも?だって必要な事じゃないですか?そう思いません?」
と開き直る様子が見たかったです。

また
最後まで根強かった「違憲じゃないか?」
という意見には
「解釈改憲は過去の政権でも行われてきた」
という事実を知る必要がありますし
(外交史研究科 細谷雄一氏のブログに詳しい)
http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/archives/1904626.html

個人的には
「9条だけではなく前文も読んでください
『いずれの国家も自国のことのみに専念して他国を無視してはならない』
と書いてあるでしょう。
仲間が攻撃されて日本に危険が迫った時に、それを必要最小限度助けるのは本当に9条が禁止する
『国際紛争を解決する手段たる武力行使』
なんですか?」
と反論したいと思います。

結局、
「世界で何が起ころうと自衛隊を動かさなければ日本だけは平和である」
なんて考えは、そもそも憲法前文に違反しているのです。

アメリカの言いなりだから反対、という意見もありました。
これについては
そうとばかりは言えないようだ、と言う意見を紹介します。
https://www.facebook.com/michio.ezaki?pnref=story

私は例えアメリカの要求であったとしても
独自には国防について語る事の出来ない日本にとっては「渡りに船」であったと思います。

…これで私としては
この件で書きたいことは割と書ききったと思っています。