日付が変わってしまいましたが
16日の新聞は産経、日経を除く主要紙がこの話題を一面トップに...
産経、日経もトップではないが一面記事に持って来ています。


ついでに読売も一面トップながらもそのスペースは、一面の右半分を切るぐらいのもので

 
まあ、ハッキリ言いましょう。
左系メディアが嬉々としてデカデカと「天皇陛下『深い反省』」と目立つように書いているわけです。


14日の首相談話では安部首相がハッキリと「お詫び」しなかったことの鬱憤をこういう形で果たしたわけです。


しかも地元紙、新潟日報は
サブタイトルに「首相、加害に触れず」と書いて
その対比でもって相変わらずの首相批判をしているわけです。

 
私は勿論、天皇陛下のお言葉について何か意見を言おう等と言う事はありえません。
ですからここではそれには触れません。


しかし、左系メディアが陛下のお言葉を用いて
「ほら陛下は平和が大切だと仰っている。だから安倍は間違っている。」
とか言い出すことには非常な危惧を持ちます。
間違いなくそれは「天皇の政治利用」に他なりません。


まず、最初にハッキリさせる必要があるのが
このお言葉は「全国戦没者追悼式」の場での発言であって、
先の大戦での戦没者、そして遺族、そして全国民に対するお言葉であるということ。
対外的なメッセージという意味はかけらもないのです。


だから、このご発言に対する
「中韓は高い評価」なんてものを報道しているメディアは、
まるで物を分かっていないどころか、その心根の卑しさを感じずにはいられないのです。

 
先の大戦に対する「深い反省」は当然必要なのです。
なぜならあの大戦によって、日本人は筆舌に尽くしがたいほどの悲惨さを味わったのですから。
その事に対する政治の責任は当然あるのです。むしろ無反省であってはならないのです。


ただそれは、外国に対する「お詫びと反省」とは違う種類のものです。


そして二番目にハッキリさせる必要がある事は
「安部首相は天皇陛下のお心を理解し、そのお心に叶う政治をしなければいけない」
とか言い出す人達。
この人達は日本の政治史がまるで理解出来ていない。

 
日本の長大な歴史にあって、
武家政権誕生以降、現代に至るまで
「時の天皇の意向によって政治が為された例がいくつあるんだ?」
という話です。
誰か詳しい人教えてください。私はほとんど知りません。

 
左翼がよく誤解している
「戦前の日本は天皇主権だった」
というのは大嘘であることは、憲法記念日の際にも書かせてもらいました。
「チャンネルくらら」の憲政史家・倉山満先生のアカウントを見てもらえればよく理解できると思います。

 
戦前現人神と言われた昭和天皇でさえ、政治的決断を行ったのは
2・26事件で内閣が機能不全になった時、内閣から終戦の英断を迫られた時の2度しかないのです。


なぜ、日本では天皇の意向に沿った政治は行われなかったか、と言えば
端的に言えば日本人の歴史的な知恵として、「権威」と「権力」を分断することによって
政治の責任が天皇に及ぶことがないようにしたからです。


ですからね、
左翼系の人達が、天皇陛下のお言葉を、自分達の都合のいい部分だけ用いて
それを政治活動に利用するのは
同じ日本人として、将来の日本の国家安寧のためにも、
どうかご勘弁ください、という気分なのです。