(このブログは5月17日のfacebookへの書き込みを転載したものです)
今日は毎日新聞の一面トップから。...
見出しの付け方と本文の内容が微妙に合っておらず、
「東日本の11警察本部がストーカー規制法に基づく文書警告を出した加害者に対し、治療の一環としてのカウンセリング受診を打診したところ、『受けたい』と答えたのは4%にとどまった」
という部分がメイン。
「一方で、ストーカー加害者にカウンセリングを行っている団体の協力で実施した検証では、加害リスクを減らす一定の効果があることも判明」
という部分がサブ。
ですので、本来見出しの大小が逆になるべきではないのかと思います。
画面だけ見ますと、なんだか光明が見えるような書かれ方ですが実はネガティブな話題です。
私個人の感想としましては、
恐らくストーカーは自分が異常だとは思っていないのでしょうから、警察からカウンセリングを勧められても、素直に「受けたい」と答える人はいないのではないでしょうか?
記事に「4%にとどまった」と書いてありますが、「それでもそんなにいるんだ」という気持ちです。
カウンセリング団体の検証では、治療による効果が見られたということなのですが、
そもそも治療に応じてくれるストーカーというのが、余程素直というか稀有な存在なわけですから、実際の効果のほども疑問に思っています。
とはいえ、
逗子ストーカー殺人事件のように、警察からストーカー規制法に基づいた警告が出されていたのにも関わらず、被害者が殺害されるような事件があることを思えば、
ストーカー相手に警告・禁止命令を出したり、罰則を与えるだけでは被害者救済には足らず(そればかりか逆に状況を悪化しかねない)、
加害者には自身の行動を理解させ、改善させる過程は必ず必要となるでしょう。
問題はストーカーにそれを自主的に行わせることが期待できない。この記事からもそれが伺える、ということです。
記事ではストーカー相談を数多く受けているという、
NPO「ヒューマニティ」小林理事長の
「警察による紹介だけでは治療に繋がりにくいことが実証された。(略)
カウンセラーが警告時に立ち会う事や、カウンセリング自体を義務化したりするなどの取り組みが必要だ」
という話を紹介していますが、本当にその通りなのだろうなと思っています。
記事の後半では、ストーカー対策の先進国としてオーストラリア、イギリスの取り組みについても紹介されていますが、
この件は今後も研究され対策を講じるべき分野であると思います。