(このブログは3月21日のfacebookへの書き込みを転載したものです。)

普段日曜日に書いている【今朝の一面から】ですが、...
今朝の記事が産経を除く、朝日・読売・毎日・日経の一面トップであったこと
戦後日本にとって歴史的出来事であることから、話題性を考えて今日書いてみました(第三者にはどうでもいい拘りですけど)。

 
因みに産経新聞の一面トップは「地下鉄サリン事件から20年」というもので、
本記事については一面の隅に書いてありました。


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『自民・公明両党は20日、自衛隊や国連平和維持活動(PKO)に関わる新たな安全保障法制の基本方針について合意した。(略)
「専守防衛」を掲げながらも徐々に広げてきた自衛隊の海外での活動は、範囲・内容とも一段と拡大することになる。』
(画面 朝日新聞より。一番写真映えがするものでしたので)


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朝日新聞はもっと反対するのかと思っていたのですが、
意外に冷静な記事でした。時代の変化を感じます。
その分『赤旗』は「憲法9条崩壊!」などとデカい見出しを付けていましたが。


また、これに関する話題としては
民主党の小西洋之参院議員が20日の参院予算委員会で首相に行った質問(?)が興味深く、問題の理解に役立つでしょう。
http://www.sankei.com/politi…/…/150320/plt1503200025-n1.html


ー小西氏は首相に対し「憲法を何も分かっていない」と批判し、外務官僚らを「狂信的な官僚集団」と指弾。


の下りとか読むと、失礼ながら私は
「ああ日本は本当に憲法改正が必要なんだな」
と実感します。
「憲法が変われば文句ないんでしょ」
とか思ってしまいます。

 
時々刻々変化する世界の中で、日本国憲法こそ絶対普遍的なモノと信じているんだか何だか分からないのですが、
「憲法護りて国滅ぶ」
がそのままスーツを着て喋っているみたいです。

 
因みに、国会で選出された首相と内閣が、国の安全保障に関する決定を行うことは何ら憲法が規定する議院内閣制に矛盾しないと愚考するんですが。
 

そもそも憲法には前文で

「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」

とあるだけで、他に安全保障に関する規定がありません。
これを驚くべきことであると同時に怖れるべきことです。


日本国憲法は日本の周辺国で日本に敵意を持つ国が現れる場合を全く想定していないのです。
これは完全に法の缺欠(けんけつ、欠けている部分)です。


では日本国憲法は日本が安全保障に関する行動を採ることを全て禁じているのでしょうか。
それは考え難いことです。

仮に日本国憲法に「基本的人権」に関する規定がなければ、
日本は人権についての政策を決めてはいけないのでしょうか。
やはりそんなはずはありません。
仮にどんな法典になくとも、
人間個人の生存権と幸福追求権は自然法の要求により認められると解するべきだからです。

同じように国にとっては、自主独立の確保と国民の生命財産の保護は自然法の要求によって認められると、当然に解されるべきです。
(今回は、憲法解釈という手段が採られているわけですが)


そして、具体的な政策を決定する機関はどこかといえば、行政の長たる内閣こそにあるといえます。
国会は立法機関であって、国家の政策決定権はありません。

 

小西議員が、
「安倍首相のやろうとしていることに、国家の安全保障に関して重大な懸念がある」
というのであれば、それは多いに語り合うべきことでしょう。


しかし、国会で首相に憲法クイズを出しては
「首相は憲法が全く分かっていない」と言っているのであれば、
そんな話は大学の食堂ででもしてればいいじゃないかと思わずにいられません。
 

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何度か書いてきましたが、
過去、日本は平和憲法を護って平和国家を築いてきたかもしれませんが、
今後将来に渡って平和憲法が日本の平和を担保するものでは全くありません。

 
何故か。
平和憲法以上に日本の平和を担保してきたアメリカが
2030年頃には世界の覇権国家から失墜する可能性が高いからです。
誰がそんな事を言っているのか。
アメリカがそう言っているのです。


アメリカの国家情報会議が2012年に公表した「グローバル・トレンド2030」という報告書の中でそう書いているのです。


その結果、米中覇権戦争が起こり、日本は否応なくその戦争に巻き込まれる、
というのが先日紹介した
「世界を戦争に導くグローバリズム」(中野剛志 集英社新書)
の内容でした。

 
仮に米中覇権戦争が起こらない場合どうなるか、
それはアメリカが中国と事を起こさないと決め太平洋から撤退する事を意味しますので、どのみち日本は中国の軍事影響下に置かれることになります。


そんなに中国は危険な国なのか、
という問いについては、
アメリカ32代大統領フランクリン・ルーズベルトの言葉


ファシズムを「1個人または1集団またはその他の個人的な力の支配によって政府が所有される」国家であると定義すると、

 
「中国共産党」という政党が国家を超越する存在となっており、現在核ミサイルを日本に向けており、国民に基本的人権なく、
かつ戦後の歴史を通して周辺国に対して武力行使を行ってきた中国こそが
21世紀最大のファシズム国家であり、
日本の安全保障にとって最大の脅威となる国なのです。
メディアはその辺り過少な表現しかしませんが。

 
大真面目な話、
日本は自身の手で自主防衛手段を講じなければ30年後、私の息子が私の年になる頃には、この国に基本的人権が残されているのかどうかさえ怪しい地理的政治的要因下にあるのです。


では、日本はどうすればいいのかと言えば、
少なくとも憲法における安全保障上の制約を断ち切り、
軍事的に「普通の国」となってアメリカを含む複数の国と相互安全保障体制を構築するよりないのです。

 
一国が軍事的な転換を為し終えるのに10年はかかることを思えば、
日本に残された時間は少なく、
まさに現状その行動に「待った」なしなのです。

 
軍事的に「普通の国」を目指すならば、
今回の法整備も不十分と言えます。
本来軍隊に関する法律は「ネガティブリスト(「禁止事項」のみが規定されており他は自由に行動できる)」が基本ですが、
日本の自衛隊に関する法律は「ポジティブリスト(「やれる事」のみが列挙されそれ以外の行動はとれない)」で規定されているからです。

 
行動の一つ一つを法律に適うか照会し、新たな行動を起こすために法律を作っていたのでは、不測の事態に自衛隊が対応できません。
もっとフリーハンドで行動できるように変えるべきなのです。


そして、
何より大切なことは自衛官が日陰者のような扱いを受けるのではなく(信じがたい話ではあるが、自衛官を「違憲だから」という理由で嫌う人は確かに存在する)


現代の防人、武人として誇りと名誉ある身分を与えるべきです。
そうでなければ、どうして国民のために危険な任務に向かえるというのでしょうか。

 
最後に、
朝日新聞の記事ではお決まりの「十分な議論が尽くされたとは言えず、国民の理解が得られていない」という主張に対しては
「国民の理解を得るためにはメディアの理解と協力がなにより不可欠なのだ」
と反論しておきたいと思います。