映画を観に 映画館へ行くのは、
 
年に 一度か二度。
 
そんな私が 今日 観に行った映画は、
 
1ヶ月前に、知った、でもこちらでは まだ公開されていなかった映画。
 
時たま いいね をくださる、
 
きっと そらまめさんから 訪ねてくださった梨子さんがご紹介されていた映画。
 
 ミニシアター 福井メトロ劇場のみで 2週間の上映。
 
 
 

 

 

今年1番の映画 とか 書いてあるの苦手な私。

 

全世界が泣いた とか 感動の嵐 とか、どこが そのポイントだったのか わからない人。
 
そんな 私が、
 
あーこの映画 観れてよかった って思えた。
 
絵のことは 全く わからないのだけど、
 
主人公のモードが描く絵は、美しいと思う。
 
そして、カナダって こんなに美しいんだな。
 
 
 
絵を描くことが、モードにとって 
 
自分らしくいられる 唯一の逃げ場 というか、
 
どんなに辛いことにあっても、
 
絵に向かっている時は それを忘れているし、
 
そのあとも 普通でいられる。
 
絵がない生活は 自分を失うこと。
 
そんなふうに感じるシーンがあって、
 
私は 自分の おはなし と重ねて観ていた。
 
家族との ちょっとした諍い、仕事上での失敗、
 
いろんなことから 気分を変える為にも、
 
私は おはなしの世界に向かう癖がある。
 
おはなし から 戻ってくると、さっきまでのモヤモヤは、
 
もう すっかり さっぱり忘れている事が多い。
 
そして また 普通の私でいられる。
 
そんなふうに思えた、楽しかった 映画。
 
そして、この映画を観に行こうと 強く後押ししたというか、
 
影響を受けた本。
 
先月末に、金沢の薔薇婦人に 読んでみない?と
 
手渡された本。
 
 
 
著者自身が染めた糸で織った布の小裂が、
 
その作られた工程の文章と共に 紹介されてある。
 
染色も織物のことも 全く知らないのだけれど、
 
その小裂たちは 同じ色、同じ柄がなく、淡かったり、濃かったり、
 
色の名前も聞いたことのない色ばかり。美しいし楽しい。
 
この本の中でも、私のおはなしとリンクする章が そこここにあり、
 
この本との出合いは 偶然ではないなぁと感じる。
 
著者の言葉を転記してはいけない注意書きがあるので、
 
私の言葉でいうと、
 
自分が生み出す色や形は 同じ材料・配色・織り方であっても
 
毎回同じものができないということ。
 
技術や経験を積んで 仕上がったものには、
 
最初の素朴さ・古拙さが醸す味わいがなくなっていることを、
 
自分自身が一番わかっているということ。
 
 
自分の持っている おはなし が、経験を積み、熟成され、
 
聞き手の方々に 心地よく届けたい一心で、でも、
 
自己満足の語りになっていないか、拵えすぎていないか、
 
単調で途中で飽きる語りになっていないか、間は適当か。
 
この本を通して、自分を省みるよい機会を得た。
 
色つながりの 映画と本。
 
そして おはなし馬鹿ひとり。