蝦夷子館(えみじやかた)の段



 蘇我蝦夷子(そがのえみじ)は、蘇我入鹿(そがのいるか)の父親です。

蝦夷子は、天下掌握を狙っていまして、息子の入鹿は、父の謀反の心を

諫めるふりをして、父を切腹に追い込み、その上、帝位を奪おうとしている

大悪党なんです。


この段でも、えーーーー!!な場面が。


舞台は雪景色。

(アレ?さっきの小松原の段では、紅葉していたような?時間の経過があったのかな?)

入鹿の妻・めどの方(上品なご婦人)が、いかめしい顔つきの舅の蝦夷子に、

息子入鹿が、仏道に帰依して参籠を続ける真意を問われ、蝦夷子の謀反の心を諫める

為だと答えます。

 それを知った蝦夷子は、めどの方に斬りかかり、とどめを差すと、(ヒャー殺された 何で?)

めどの方の父親の中納言行主と、久我之助の父親の大判事清澄が現れ、謀反の証拠を

突きつけられ、蝦夷子は腹を切る。(何だ何だ、一件落着か?)


いやいや、その時、一本の矢が、中納言行主の胸を貫きます。(ええ?何で殺された?)


驚く大判事清澄の前に現れたのが、大悪党の蘇我入鹿。実は天下を狙っていたのは入鹿で、

父親を切腹に追い込み、参籠と見せかけて、禁裏へ抜けて、叢雲の宝剣(むらくものほうけん)

を手に入れていた。


この慌ただしい展開に ついていけず、はー?え~~?な私でございました。

舞台で繰り広げられる 殺戮(大げさ)に、目は釘付けとなり、


床の義太夫さんと三味線さんが いつの間にか変わっていたのに気がつかなかったです。

プログラムを見ると、

口 と 奥 の義太夫さんと三味線さんの記載があります。

なんやろ?なんでも 場面の格らしいのですが、

口<前・後<中・奥<切 の順みたいですよ。


それと、出だしの場面説明のような短い場面を若手の太夫が担当する 口 もあるみたいです。

プログラムの技芸員紹介の写真を見て確認しましたら、

口を担当された義太夫さんと三味線さんは、なるほど お若いです。


この段の 奥の三味線さんは、この荒々しい場面にふさわしい音色だったように思います。


そんなこんなの 大波乱の段でございました。



次は 二段目 猿沢池の段 につづく。


もう 記憶があやしくなってきています。最後までいけるか不安なカズン。