久々の 今日のおはなしです。


先日、ねこざるさんのお庭で ねこざるさんとお喋り中に でてきたおはなし。


まだ ちゃんと紹介してなかったようです。 大好きなおはなし。


アフリカのケニアのおはなし



【 肉が大好きな娘 ワク 】  出典 『語りつぐ人びと アフリカの民話』 (福音館文庫)



あらすじ・・・


昔 キクユ族の女は 肉を食べてはいけなかった。


肉を食べる女は のけ者にされ 結婚も難しかった。


ワクは 背の高い 華奢な たいそう美しい娘。美しいだけでなく 働き者。


ワクに求婚する若者は 多かったけれど、ワクは どの申し出も 受け入れなかった。


ワクには 秘密があった。


ワクは 肉が好きで好きでたまらなかった。こっそり肉を盗んで食べていた。


ある日、その日は お祭りの日で、女が料理を手伝うことが許されていて、


ワクは こんがり焼けた美味しそうな 肉を見ると たまらなくなって、肉のかたまりを盗み、


大きなバオバブの木の陰に隠れ、大急ぎで食べ始めた。


その時、バオバブの木のそばで、お祭り騒ぎを逃れてきた 若者がすでに休んでいた。


この若者は ワクに求婚したいと思っていて、ワクを見つめていた。


すると、ワクは こんがり焼けた肉を しげしげと見つめ、ひと噛みごとに 嬉しそうな表情をし、


そして 肉を食べ尽くすと、両手を握り合わせ、キリニャガ(ケニア山)に祈った。


若者は これを見て 見ぶるいし、村へ帰ると このことを みんなに話した。


その日から ワクはのけ者にされ、友達を失った。もう肉を食べるのは止めようと何度も思った。


けれど ワクは 肉をあきらめられなかった。


ある日、ワクは山から薪を背負って帰る途中、疲れのあまり 動けなくなった。


そこへ 同い年くらいの若者や娘たちが 連れだってやってきた。


ワクの美しさを妬んでいた娘たちは ワクを罵り あざ笑った。


ワクは 気を強くもって 負けないようにしたけれど、今にも 泣きそうになった。


その時 不思議なことが起きた。


空から 真っ白な鷲が飛んできて ワクの目の前に降り立った・・・





私は 肉好きではありません。どちらかというと 魚好き。


でも、このおはなしを語ると、聴き手のひとは、肉が好きなのね!と 勝手に 私を肉好きにするの。


でも、ワクは本当に肉好きよ。気持ちいいくらいの食べっぷり。


結末は ワクは幸せになります。



このおはなしのように、現在でも 水くみに行き、瓶を頭に載せて帰って来たり、


薪を背負って、歌いながら 帰ったりの生活をしているところがあるんじゃないかと思えるような


おはなしが好きです。


夜になると 人々が火のまわりに集まり、時には 男だけ 女だけの集まり。


そこでは 語りたい語り手と 聴きたい聴き手がいて、面白いおはなしや 掟などが 語られる。


そこに 私も いるような感覚になります。


久しぶりに アフリカに触れたくなりました。


絵本の 『影ぼっこ』でも アフリカの風を感じてくださいね。


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