フランスのミステリーといえば・・・

私が初めて手に取ったのはセバスチアン・ジャプリゾの「シンデレラの罠」でした。

 

 

 

 

「私はこの事件の探偵であり、証人であり、被害者であり、犯人なのです」という内容紹介は、ミステリーを読み始めたばかりの少女の私には衝撃でしたね~。その他にも「わらの女」のカトリーヌ・アルレーや「その女アレックス」で世界を席巻したピエール・ルメートルなど沢山いますが、今回紹介するのはブリジット・オベール。「マーチ博士の四人の息子」です。

 

 

 

 

内容は・・・

医者のマーチ博士の広壮な館にメイドとして住み込みで働くことになったジニー。彼女はある日、館の中でおぞましい日記を発見します。書き手は生まれながらの殺人狂で、幼い頃からずっと殺人を繰り返してきたと告白していたのです。マーチ博士の四人の息子、クラーク、ジャック、マーク、スタークのうちの誰が犯人なのか、ジニーはその正体を突き止めようとしますが・・・

 

思いがけないラストに「ええ?」と唸ってしまった私。奇抜な着想なのにちゃんと物語として成立させている点を訳者は「まさにエンターテインメントの巧者」と評しています。その着想の豊かさは勿論他の作品にも生かされていて「森の死神」ではなんと全身麻痺で目も見えず口もきけない女性を探偵役として登場させています。これって安楽椅子探偵の究極のパターンですよね~。意識はあるのに意思を伝えられない「閉じ込め症候群」の残酷さ。殺人犯に命を狙われているのに助けを求められない恐怖。もし自分だったら・・・と考えるとゾッとしますね~。でも作品は救いのある終わり方になっているのでちょっとホッとします。

 

 

 

 

ミステリーを書いています♡