メディアは連日連夜新規感染者の増加を報じ、国民の恐怖心を煽っている。不況を望んでいるかのようにさえ見える。「四連休初日。観光地には平日の◯倍の人出が…」と話すアナウンサーはまるでそのことを嘆いているように見えたが、私は一事業者として多くの国民がGoToトラベルしてくれていることに喜びを感じていた。ていうか私だって呑気に雇われ人しながらGoToキャンペーンに憤りを感じたり、物申したりしたかったよ。安定したサラリーを受け取りながら。

 とは言え、雇われ人とて呑気に雇われていられるわけでもないようだ。知り合いの経営する大手小売企業ではアルバイターの間引きが始まっている。

 重篤患者を出さないため、つまりはお爺さんお婆さんを守るためにワカモノが一丸となって犠牲になった夏であった。文字に起こすといよいよ馬鹿らしい。

 PCR検査の拡充を行って検査数が増えれば感染者の発見数だって増えて当たり前だし、高齢者に移すな!と盲目な自粛を呼びかけるなら高齢者にステイホームさせろよ、と呆れるばかりだ。どうしてこんなに簡単なことがわからない?ワタミ会長の顔でキレたくなる。

 そうなのだ。そもそも高齢者にステイホームを呼びかけるべきなのだ。それができていればストフェスは開催できたし、あのチェキ会もハイタッチ会も握手会もお渡し会も中止にはならなかった(オタク脳)。ではなぜそれができないか。選挙に行くのは暇な老人ばかりで、政治を論じるのも暇な老人ばかりだからである。政治家は老人にこそ気を遣うが、清き一票を持ちながらそれを投じないワカモノになんてかまっていられない。

 ブツクサと文句を言っていても何もはじまらない。身勝手で欲深いワカモノの代表として、メディアに躍らされることなく、今日もデートをするし、新地で遊ぶし、飲食店で金を使おうと思う。これでも私は愛国者である。給付金はテナント賃料に消え、同情した親からお小遣い10万円を受け取った情けない31歳だが。

 この記事を読んだ読者の1人でも多くが「そうか、四連休だし無駄遣いでもしよう」と思い立ち、GoToおでかけすることを切に願う。


終わり


シリーズ 〜いつかの晩ごはん〜
鶏モモの唐揚げ