単身赴任かずモンのお弁当アーカイブ☆彡(0059)お握りとオノマトペ

「ぐっすり」寝た朝でも「ぐずぐず」していて、出かける時間「ぎりぎり」になったとき、それでもお弁当は必要です。「あっさり」したもので「もりもり」食べられるように「さっぱり」したものを「しっかり」用意します。

やはりお握りです。海苔が重要な役目をします。



上の「 」で囲んだ言葉は「オノマトペ」と呼ばれます。母音の多い日本語の得意とする表現の1つです。カタカナもよく使われます。

動物の声のオノマトペもとても多く、実際の声と比較して調べると面白い論文ができる場合があります。昔、私もウグイスの声を研究した博士学位論文のコピーを全部読んだことあります。そのことは今、俳句にも役立っています。

外国語にもオノマトペは多くありますが、日本語と似ていないものもあり、日本語にはないものもたくさんあります。動物の声の表現にはまったく似ていないものもあります。

山羊の「めえめえ」は英語では「baa」、犬の「わんわん」は英語では「bowwow」、遊んでほしい意味の時は「ruff ruff」です。鶏の「こけこっこー」は特に違っていて英語では「cock-a-doodle-doo」と鳴きます。

英語の犬の鳴き声にある「grrr」というのがリアルです。日本語に訳した表現は「ウー」と「ガルルル」というオノマトペになっています。

この声の意味を動物生態学の研究者に教えてもらったときの解説が面白いので紹介します。

「ガルルル」という声は、犬が恋をしているときに、同性の犬が近づいてきたときに使う声だそうです。それ以上近寄ると噛みつくぞという意味が声に込められています。自分の縄張りを守ることも含まれます。そして、さらに、雌がその声を使ったときに示す雄の反応が興味深く、嬉しいような、しかし悲しいような表情を見せて、黙ってしまう、と解説の追加がありました。納得でいる、何か小説ができそうなストーリーです。

宇治市にも昨夜はずいぶん雨が降って、庭に出てみると枯葉が排水口にたまっていて水たまりができていました。私の家の信楽狸も濡れています。

ついでながら、日本語は語呂合わせや文字と言葉の遊びが多く、オノマトペとともに楽しめます。例えば、宝くじを買った日に、信楽狸のことを話したり、「たを抜く」というので「たからくじ」が「からくじ」になります。せっかく当たりそうだったのに惜しかったという結果になります。

 

昔、長谷川町子の4コマ漫画『いじわるばあさん』に出てきました。

 

 

我が家の狸は蛸壺と並んで雨に濡れています。

 

お弁当がお握りだと、他の話題になってしまいました。

!! 閑話休題 !!


どれかひとつはこのわたの握り飯    茨木和生
羅の人のくれたる握り飯        岸本尚毅
あるじにもかくべつ媚びず露の犬  久保田万太郎
またとなき老犬といて時雨れけり   宇多喜代子

鉾粽売る子左手に握り飯        かずモン
一番茶炊き込めてあるにぎり飯
犬のため小ぶり台付き茅の輪かな
片陰や犬が止まれば主も止まる
吠える犬どん突きにゐる百日紅
寡黙なる犬こそよけれ星月夜