単身赴任かずモンのお弁当アーカイブ ☆彡(0046) トマトと玉子

トマト、タマゴ、タバコ

この3つの言葉は読唇術の初歩で具体的な見分ける例に使える言葉です。日本語の発音の特徴を海外の人に教えるときにも使えます。

タバコは急性心筋梗塞になったときにすっかり止めたので止めることをお勧めします。

トマトと玉子の相性はとてもいいので、お弁当に同居する場合が多く、また一緒に焼いて食べる機会も多くなります。特に中国料理風に玉子焼きを作るのが好きです。オリーブ油を煙が出るほどにフライパンで熱しておいて、溶き卵とトマトを入れてさっと炒めます。あっという間に逸品作るのに最適です。少し焦げ色のついた玉子焼きが美味しいのです。調味料は入れずに焼いて、好みに応じて食卓の調味料でいただきます。

真っ赤なトマトに多いリコピンをはじめとするカロテノイドの吸収性ですが、生野菜からは非常に低く、加工したものが2~3倍もリコピンを吸収しやすいことがわかっています。熱に強い性質を持っているリコピンの吸収性は油で炒めても高くなります。

年中トマトを買うことができる時代ですが、私の子どもの頃には祖父が作っていたので食べることができました。いつも店頭にあるようになったのは40年位前からです。ガラス温室からビニールハウスになってから年中栽培され、一般の消費者も購入できるような条件になりました。

トマトが本格的に日本の市場で流通し始めた1950年代では露地栽培でした。夏だけの野菜で、熟さない段階で出荷されていたので硬い青臭いものでした。1980年代までの品種(ポンテローザ、世界一など)は酸味が強く、独特の青臭い香りがあるのが特徴でした。85年から「完熟出荷」をセールスポイントにした「桃太郎」が発売され、現在ではトマト全生産量の約5割以上を占めるようになりました。

桃太郎の普及とともに「ミニトマト」「中玉トマト」が増えました。これがサラダとお弁当に使われます。

日本ではトマトの生食が主ですが、世界的には生食は日本などごく一部で、ほとんどの国では火を通して加工して食べる食材です。初めて日本に来た西洋の人は、魚とトマトの生食に驚くのです。そしてトマトと魚の生食に感動する人、どちらもだめな人、どちらか一方だけ慣れる人の4種類に西洋人が分類されることになります。

トマトは晩夏の植物の季語です。トマトは夏の野菜でした。夏のトマトは冬のトマトに比べて、酸味(酸含量)が強いのです。暑い夏には酸味の効いたトマトを美味しく感じます。冬は酸味の少ない甘いトマトを美味しく感じます。

ついでですが、玉子は「寒卵」が晩冬の生活に季語、「玉子酒」が冬の生活の季語として登場するだけです。玉子のことはまた別に書きます。

料理で使う甘味は蔗糖ですが、トマトの甘味はブドウ糖と果糖がほぼ半分ずつです。これがトマト独特の甘味の仕組みです。酸味はクエン酸が主体です。約10種類の有機酸を配合してトマト独特の酸味が作り出されているのが素晴らしいのです。

赤く色付き、トマトの食べごろが分りやすいという野菜でもあります。トマトの品種によって多少異なりますが、普通は積算温度1000~1100℃で色付くことがわかっています。つまり1日の平均温度が20℃の場合は約50日、25℃の場合は約40日で色付くのです。

要するにトマトのDNAに温度計と記録計が備わっているのです。

私はトマトを牛肉の鋤焼きに入れます。味付けの役目をトマトに任せるのが意外な美味しさのもとになります。

トマト選びのコツは、産地を見ることです。時期によって出荷のピークを迎えた地域のものを選ぶことが単純ですが、はずれが少ないようです。次に蔕(へた)の新しさです。

トマトには安定した加工品があります。トマトケチャップでは阿蘇から送ってくれるケチャップが美味しいと思っています。また、お弁当にはケチャップとマスタードの組み合わせ調味料が味のアクセントとして便利です。

虹たつやとりどり熟れしトマト園     石田波郷
くちづけのあとの真っ赤なトマト切る   大高 翔
アスパラ北より早生トマト南より    鈴木真砂女
カーニバルすみたるトマト熟れにけり 久保田万太郎
千万の宝にたぐひ初トマト        杉田久女
温室にトマト熟れたる朧かな       岸本尚毅

大皿に飯とトマトとサテアヤム      かずモン
尻取りのトマトはトマト秋の空
買い物かごより転げたるトマトかな
小袋は二百円なるトマト買ふ
このトマトこそは馬木の食べ助け