椎茸が大好きでよく食べます。生の原木椎茸も、干したどんこも、また刻んで干した椎茸もいずれも、それぞれの良さを生かして使います。

朝、食欲がないときには、(0041)の「にんにく水」で雑炊を作ります。そのときには刻んで干した椎茸を加えます。

まず、鍋に水だけ入れて沸かします。70度を超えればいつでもいいので、そのときに合わせて大蒜(にんにく)一粒を、できるだけうすくスライスして湯に入れます。大蒜のアリインを溶かし込むことによって味を感じる舌の働きを強めるのです。湯に入れることによって、アリインをアリシンに変えて匂いを出すようにする酵素のアリナーゼの働きを止めるのです。だから臭くないのです。

そこへ刻んだ椎茸と少しだけ鶏ガラスープと少しだけ追い鰹などを加えます。

ご飯を適量入れて煮込みます。その間に鋏で細葱を刻んでおきます。溶き卵も用意します。ご飯が煮えてきたら、全部入れて仕上げます。


葱は、炭水化物を消化する力を助ける役目です。蕎麦やうどん、ラーメン、お好み焼き、みな炭水化物ですが、それには葱が付きものです。

椎茸の季節は3月から5月、9月から11月です。肉厚で内側に巻き込み、裏側が変色していない白いもの、軸は太くて短めのものが市場価値の高い良品です。

干し椎茸は、厚い順に「冬茹(どんこ)」「香茹(こうこ)」「香信(こうしん)」などの種別があります。食物繊維やミネラルは豊富で、低カロリーです。じっくり加熱すると旨味が出ます。乾燥することによって細胞が破壊されて旨味成分の抽出効率が上昇します。

炭水化物、ビタミンB群、食物繊維、ミネラル、免疫細胞を活性化させるレンナチンなどが含まれています。ミネラル分やビタミン類の量は栽培条件で大きく異なっています。

椎茸のエスゴステリンという成分が、紫外線に当たると、体内に入ることでビタミンDに変化します。生の椎茸の軸を上向きにして広げ、ひだの部分に2時間ほど日光を当てるとビタミンDの量が格段に増えます。

どんこを冷水に浸しておいて甘辛く煮付けます。そのままお弁当に入れたり、硬めの衣で天ぷらのします。甘辛く味付けた椎茸の天ぷらは冷めても美味しいという特長があり、お弁当に作り置きのおかずには最適な一品です。

 

 


採りたての椎茸白し笠の裏      右城暮石
干椎茸水に戻して祭かな      鈴木真砂女
椎茸を売る店ばかり日が沈む     川崎展宏
庫裡の笊けふは名もなき菌干す    後藤夜半

椎茸を榾より選び客を待つ      かずモン
椎茸干す笊に産地の熊の文字
榾木から椎茸選ぶ白き指
干物屋に椎茸もあり伊豆の町
椎茸丼弁当名物井川駅