お弁当アーカイブ ☆彡(0039) 淡竹

ハチク(淡竹、甘竹)は中国原産の竹の一種です。黄河流域以南に広く分布しています。孟宗竹、真竹とともに日本三大有用竹と言われています。別名にアワダケ、呉竹(くれたけ)の呼び方があります。多年生常緑植物で、直径は3センチから10センチ、高さは10メートルから15メートルです。

孟宗竹の節は一輪ですが、真竹と淡竹の節は二輪状です。真竹と淡竹の違いは、淡竹が全体的に色が白いのと、2輪ある節の隆起線が低く黒いという特徴があります。

開花は、真竹などと同じで、約120年に一度と言われています。開花すると一斉に枯死します。孟宗竹は開花すると地下茎まで枯れますが、淡竹は地上部は枯死しても地下茎は枯れないものがかなりあるとされています。

真竹に比べて強さが劣るのですが、割り竹には淡竹が適しています。茶筅は先端を80から120等分しますが、淡竹はこれにも適しています。茶道用具では花器にも利用されます。

細かく枝が分かれるので竹箒に利用されます。正倉院の呉竹笙、呉竹竿、彫刻尺八、天平宝物の筆などが淡竹製です。内側の薄皮が竹紙と呼ばれて、笛の響孔に張って音の響きを良くする役目を果たします。

孟宗竹の筍は頭が出ないうちに掘り起こしますが、淡竹は根元は硬いので、地上に出たものを刈り取ります。

淡竹の子は、えぐ味がなくとても美味しいのですが、店頭で見かけることが少ないのが残念です。見かけると必ず買って帰ります。煮ても焼いても炒めても、そのまま使えます。豌豆と一緒に煮るのが我が家の伝統です。

 

 

 

 

 

 


漢方では、淡竹の稈(茎の部分)の内皮は竹茹(チクジョ)、葉は竹葉(チクヨウ)といい、生薬として用いられますが、いずれも局外生薬です。稈を炙って流れ出る液汁も竹瀝(チクレキ)という生薬として利用されます。


足序呉竹の子も折れけり           一茶
夏夕ベ淡竹草履にはやも慣れ      宇多喜代子
辛く煮よや熱の昼餉に淡竹の子      石川桂郎
淡竹の子五百羅漢へ割つて入る     中山フジ江
淡竹の子さげゑり善に入りにけり     谷村幸子

米といで淡竹届くを待ちてをり      かずモン
炊きたての飯に淡竹の子の土佐煮