最近、コネコ(赤ちゃんの愛称)のバスタイムのサントラは、もっぱらハミルトン。
コネコが、将来ラッパーになったらどうしよう。
いや、なりたきゃなってもらったら良いんだけど。
というわけで(?)、出産レポの続きです。
痛みに弱いクセに、実は自然分娩をトライしてみたいと思っていて。
アメリカでは、無痛分娩が主流で、周りからも無痛分娩を勧められていた。
アメリカ人ママだけでなく、自然と無痛、どちらも経験した日本人のママ友Kからも、「絶対無痛の方が良いよ!そこで苦しむ必要ないから。産んだ後が大変なのに」と言われていて。
夫は、「苦しむKazumiを見たくないから、無痛にしてほしい。無痛のオプションがあって、痛みを選ぶ理由が分からない。でも最終的な決断は、もちろんKazumiに任せる」と言っていた。
日本では「痛みを乗り越えてこそ、母親になれる」みたいなのがあって、でも私は、そういうのは思わない。
けど、もともと自然派だし、薬も苦手だし、マタニティヨガで、陣痛中の呼吸法や瞑想法も学んだし、できるもんなら自然でいってみたいな、と。
ただそれだけの話。
そんな妄想は、病院へ行く車の中で吹っ飛んだけどね。
「病院に着いたらすぐにEpidural(無痛分娩の薬)リクエストして!!!」と夫に叫ぶ。
多分車に乗ってる時点で、子宮口1、2センチとか飛び越して、8ー9センチは開いていたろうから、そりゃまあ道中叫びまくってましたとも。
冷静に運転してくれた夫に、今では感謝してます。
その時は、そんな風に微塵も感じなかったけど。
というわけで、病院に着いたのは深夜2時ごろ。
「とりあえず」みたいに検診をしてもらって、子宮口がすでに9センチ開いていることがわかって、入院・分娩準備が始まった。
そこでまず、「エピドュラル(無痛の薬)ください!」と。
看護婦さん、「麻酔科医に知らせたから、すぐ来て準備をしてくれるからね」と。
でも、その「すぐ」がなかなかこない。
麻酔科医の先生が、やっと来たと思ったら、すぐにパパッと麻酔してくれるワケではなく、まず、「ハーイ、私が麻酔科医のナンチャラ(もう覚えてない)です、これから麻酔の用意をするからね」と。
これからするんか〜い?!と、1分おきの陣痛の合間に、ツッコミを入れたくなった。
話には聞いていたけど、陣痛の痛みって、言葉にできない。
「鼻からスイカ出すのと同じくらい、痛いで」って言ってた友達がいたけど。
人目を気にしてしまうという、悪いクセのある自分だけど、この時ばかりは気にしてもいられず、どこからこんな声が出てくるのっていう、ケモノのような呻き声、叫び声が出てくる始末。
そして、胃に何も入っていない状態なのに、嘔吐。まあ生理痛でも、ひどい時は嘔吐するからね、、、
子宮口を調べた看護婦さん、「10センチ開いてるから、もうすぐよ。本当に無痛にする?」と。
「イエース!!!プリーズ!!!!!ギブミ〜!!!!!」
そしてやっと準備ができて、無痛の薬が入ったのは、深夜の3時ごろ。
そしてやっと、ケモノから人間に戻って人心地ついて正気に戻り、夫と会話をする余裕も出てきた。
ほんの2時間ほどとはいえ、1、2分おきのフル回転?の陣痛で、自然分娩の痛みも、十分味あわせてもらいましたとも。
それだけで、体力消耗して、ぐったりしてた。
高齢夫婦、コネコが最初で最後の授かりものだけど、もし2回目があるにしても、速攻で無痛分娩お願いしますとも。
それにしても、子宮が全開してても、無痛ってできるんやね。
それを、「無痛が間に合わなくて、自然分娩させられた」って言ってた友達に言ったら、
「ウソ〜?!私もしてもらえたってことじゃん、え〜!!!」って言ってたので、病院、先生によって違うようす。
そして、10センチ開いたからって、すぐいいきみ始めるワケでもないみたい。
じゃあプッシュ(いきむ)しましょうね、ってなったのは4時ごろ。
ちなみに、無痛の薬が入ると、分娩が遅れるそう。
子宮口が5センチまで開かないと、エピドュラルを入れてもらえないっていうのは、多分そのせいもあるのかな。
無痛分娩だと、落ち着いたもので、付き添いは、若手の看護婦Aさん1人。
横のモニターを見ながら、「陣痛がきてるようね、いきみましょう」とか言ってくれる。
無痛分娩といっても、陣痛がきてるのはなんとなく分かるし、いきむこともできる。
と言っても、初めてなもんだから、いきみかたもよく分からず。英語だと、いきむは押す、プッシュ。
看護婦Aさんが、呼吸の仕方を教えてくれて、それに合わせてとりあえずグーっと押してみる感じ。
それを3回繰り返して、次の陣痛までお休み。
モニターでは、ハッキリと陣痛がきているのか分からないのか、私の方から「陣痛今来てませんか?プッシュしたほうがいい?」って聞いて、看護婦さんが、「あ、そうね、してください」って言う感じで。
それが普通かどうかわからないけど。
それが1時間ほど続いて。
無痛分娩とはいえ、1時間も押してると、かなり疲れてくるし、お腹の痛みはないけれど、下の痛みというか、不快感も出てくる。
すでに最初の2時間の陣痛で、体力消耗してしまっているしね。
すると、ベテラン風の看護婦さんが見にきて、
「どう〜?チェックインした時に、挨拶しにきたけど、きっと覚えてないわね。XXよ(もちろん覚えてないw)うまくいってる?」
「いや〜、よくわかりません」
「ちょっとチェックさせて。あ、今陣痛きてるわね、押して。足に力を入れて押して。そしてここを押して。」
と、下のところを触る。
そこを押していくと、
「あ、上手上手、その調子!」
と、うまいこと、のせてくれる。
そして、「その調子で頑張ってね」と去っていった。
それからまた2〜30分ほどすると、また最初のベテランっぽい、チャキチャキ看護婦Bさんが、プッシュの最中にきて、
「顎を引いて。足の角度はこう」と、足を動かして。
すると、めっちゃプッシュしやすい!!今まで1時間半ほどプッシュしてたのは何だったの?!って感じ。ちょっとの角度で、全然違う。
妊婦の方、いきむ時はちょっと顎を引く!これ重要!
そして、見えたりひっこんだりしてた頭が、もうちょっと、見えるようになったらしい。
看護婦Bさん、今まで3回プッシュだったのが、
「もう1回プッシュできる?」
「はい」
「あ、そうそう、いいわね!頭が見えてるからね。休まずに、力を入れたままでいける?」
「はい」
「よくできてるわ、頭が引っ込まなくなった!」
そして、下のマッサージを始めてくれ出したけど、これが痛い!
顔をしかめていたら、
「痛い?」
と聞かれて、
「ハイ」
というと、
「ごめんね、マッサージをして、赤ちゃんが出やすくしているからね」
そして数回プッシュを繰り返すと、頭がだいぶ出てきて、看護婦さんが少し焦り出した。
ちなみに、この時点で、かなり痛みがあった。「無痛でも痛いんや!!」と。
陣痛の痛みはないのだけど、下が痛い。皮膚が張り裂けそうな痛さ。
そしてチャキチャキ看護婦さんが、全身を覆う、お医者さんが着るような服に着替え始め、
「先生には連絡してあるから。今チェックしたら、あと10分で着くって言っているわ。でも、念のために、準備をしておくからね。何も心配しないで」
え、、、ちょっと待って、先生がくる前に、出ちゃいそうってことですか?!
「え、先生が間に合わないってことですか?」
「大丈夫、心配しないで。キャップ先生は、いつも間に合うの。でももし万が一間に合わなくても、大丈夫、私がいるから心配しないで」
「えっと、、幹細胞をとって、冷凍保存することになっているんですが、それはできますか?」と聞くと、えっ?という顔をした看護婦Bさん、
「その心配は今はしないで、私は幹細胞の摂取はよく分からないけど、キャップ先生は間に合うから、落ち着いて。」
先生どこやねん〜!!!
で、長くなったので、また続きます。
みなさん、楽しい1日を過ごされていますように〜
このお話の1週間ほど前に撮った写真がこちら。
お腹の中に、ほんとに小さな人間がいたんだね😆