荒れに荒れている大統領の指名者候補選ですが、、、、

その嵐の目玉はもちろんトランプ。彼の集会は熱狂支持者と抗議活動をする人とで、小競り合いが起こるようになってきていて、ついにシカゴでは集会を急遽キャンセルするまでに至った。

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トランプの発言もすごいけど、彼の集会はまたすごい(良くない意味で)。特に声を上げるわけでなく静かに座っているだけでも、アンチ・トランプやバーニー支持の服装なんかを身につけていると、ブーイングされ追い出されたりする。

ノースカロライナ州では、罵声を浴びつつ外にエスコートされていっている抗議者の黒人男性の顔を、いきなり殴った白人男性の姿もあった。しかもその後セキュリティー達にタックルされたのは、いきなり殴られて床に伏せている被害者。

もう、ものすごい事になってる。

トランプ人気は、「FEAR(恐れ)」が元になっていて、それは愛とか希望とかより、ずっと取り込まれやすいんじゃないかと思う。

ここで、「だからアメリカ人は、、、」なんて小馬鹿にするんじゃなくて、これはどこででも起こりうる事だと想像してみてほしい。

日本でも格差社会が叫ばれているけど、アメリカのそれは半端ない。アメリカでは、0.1%というごく少数の富裕層の持つ富と、下から90%の家庭の持つ富の合計が、2012年の時点で同じになっている。


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70年代には過半数を占めていた中産階級もどんどん減っていっている。

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そんな中で、「ロクに英語も話せない移民達に仕事を取られ、あちこちでテロが起き、アメリカは「奴ら」に乗っ取られるんじゃないか」なんて普段からフツフツと不満を感じていた一部の白人層達の「恐れ」を見抜いて、トンデモ発言を繰り返すトランプに勢いがつくのもなんとなくわかる気もする。

トランプの支持者の半数は高卒かそれ以下の学歴らしいけど、それに合わせて彼の「政策」はツイッターで表現できる140字で超シンプル。

移民政策は、「メキシコ国境に巨大な壁を作る!費用はメキシコ持ちだ!」
サンバナディーノのテロ事件の後には、「イスラム教徒はこれ以上来させない!」
シリア難民は「ISISが紛れ込んでるかもしれない。シリア難民は送り返す!」

普通に考えれば「いやいや、できないって」ってツッコミを入れるところだけれど、トランプは具体的にどうやって成し遂げるのかには全く触れず、ただ「実行する」という。

やばい事にカリスマ性があるので、彼の言う事を聞いていると、事実が見えなくなり判断力も落ち周りの声も聞こえなくなり、宗教のように彼を支持する人が出てくる。

心理学者は、彼は典型的な「Empathetic Bully(共感できるいじめっ子」と言う。相手の弱みを一瞬で見抜いて、それを使って相手を傷つけ自分を優位に立たせ、リーダーとなる資質を持つ。

彼は、Empathetic Bullyと言うよりはPsycopath(サイコパス)だという人も居て、私もそうじゃないかと思う。

日本でも、経済状況が悪化し格差がアメリカ並みになって、テロ事件なんかが起き始めたもんなら、排外的な事を叫ぶトンデモリーダーが力をつけていく可能性はなきにしもあらず。

と、大荒れなトンデモ前哨戦ですが、実際にトランプが候補者になる可能性は半々かな~、と思う。候補者になるには、過半数のデリゲート(代議員数)が必要なのだけど、正統派の共和党員達の方が、奥の手「コンテステッド・コンベンション」を使ってでもそれを阻止しようとしそうな勢いなので、、、、

トランプについて書いてると疲れてくるので、そのシステムについてはまた今度~、、、笑い泣き