‘悪い刑事’が破格の終わりを走っている。

初放送で悪役の墜落を描いたし、地上波ドラマでは9年ぶりに19禁判定を受けたし、

それでも同時間帯視聴率1位を記録した。

意地に近いこの破格、‘悪い刑事’が押し進めることができた理由は何だろうか。


去る3日午後放送されたMBC新しい月火ドラマ‘悪い刑事’は英国有名ドラマBBC、

‘ルーター’シリーズを原作にしたドラマだ。

‘ルーター’シリーズでエピソードを取ってくるものの、韓国型刑事物で再誕生させるという、

‘悪い刑事’は初放送で連鎖殺人魔よりさらにきつい刑事ウ・テソク(シン・ハギュン)の、

強烈な登場を知らせた。

 

 

‘悪い刑事’はウ・テソクと13年前悪縁で知るようになった、

連鎖殺人魔チョ・ヒョンミン(キム・コンウ)、

そして正体が分からないサイコパス社会部記者ウン・ソンジェ(イ・ソル)の、

出会いを速度感あるように描いた。

殺人魔チョ・ヒョンミンが高いところから落ちようとするのを助けないで見守るばかりの、

警察ウ・テソクの強烈なエンディングは多くの人々をびっくりさせること充分だった。

 

警察は無条件優しくなければならないという偏見をまともに破ってしまった‘悪い刑事’の、

エンディングは多くの視聴者たちに歓呼を受けることで充分だった。

チョ・ヒョンミンが血だらけなったまま倒れた壮烈なエンディング、

そのようなチョ・ヒョンミンを冷たい目つきに見下ろすウ・テソクの対決は、

‘悪い刑事’の主題を一気に刻印させた。

社会悪であるチョ・ヒョンミンを生かすことが果たして‘線’であろうか。

彼を救わなかった警察ウ・テソクの行動を非難しなければならないだろうか、

でなければ擁護しなければならないだろうか。

善と悪の境界できわどい綱を渡ることをする‘悪い刑事’は視聴者との、

二十の峠を始めたもようだった。

この二十の峠に視聴者たちは熱烈な反応を表わしている。

 

 

‘勧善懲悪’がモットーになった地上波ドラマ系に石を投げた‘悪い刑事’に、

視聴者たちの反応が熱いのは他の見方をすれば当然のことだ。

もう視聴者たちは意味ないハッピーエンド、勧善懲悪に疲れた。

善と悪を簡単に区分することはできない世間のことを現実的に入れたドラマは、

かえって視聴者たちにカタルシスをプレゼントした。

だが、善悪の境界を消す果敢な試みは主に非地上波ドラマで成り立ったので、

過去の価値観にしばられる地上波ドラマは‘オールド的だ’という批判を、

避けることができなかった。


だが‘悪い刑事’は‘勧善懲悪’という地上波ドラマ系不文律を破った問題作になった。

おかげで、

“9年ぶりに地上波ドラマとしては19禁判定”

を受けることになった。

‘悪い刑事’の製作発表会、そして3日初放送以後の所感文でキム・テジンPDは、

“初回が映像的表現のためでなく刑事が殺人魔の死を傍観したという理由で19禁を受けた”

と明らかにしたことがある。

結局残忍性のためでなく、死を傍観したという価値観的問題で、

‘悪い刑事’の初回は19禁を受けたのだ。

 

 

視聴層流入を左右する初放送で‘19禁判定’を甘受した、

‘悪い刑事’の選択は彼らの所信を端的に表わす。

この所信を最後まで維持できた最も決定的な契機はまさに‘悪い刑事’の主演、

シン・ハギュンの演技力おかげだった。

彼が善と悪の境界中に立っているウ・テソクというキャラクターを鋭く表現したので、

ドラマの主題意識がまともに生きた。

‘怪物演技力’を自慢するシン・ハギュンではなかったとすれば、

‘悪い刑事’製作スタッフも19禁判定決定をひたすら押し進めることはできなかった所だ。

 

シン・ハギュンという信じる‘俳優’があったので実現された‘悪い刑事’の馬鹿力。

製作スタッフと俳優のシナジーのおかげでまともにテバンナン‘悪い刑事’は、

初回で同時間帯1位を占めて良い出発を知らせた。

果たして彼らが今後も今の雰囲気を繋いで有終の美を収められるか注目される。