40代初めという年齢が信じられないほどどんな‘かすかさ’を持った西島秀俊。
彼は真剣だった。
謙そんとは違った領域の問題だ。
これは情熱だ。
この態度は仮装されたのも、熟練したのでもなかった。
それで少なくなく慌てたし、それだけ新鮮だった。
既に永い前から俳優であったこの男は相変らず‘俳優’を夢見ている。
-<カット>の監督とは何年か前の東京フィルメックス映画祭で初めて会った。
彼が映画を撮ろうといった時どんな気持ちだったか?
絶対いたずらや冗談ではなかった。
彼は本当に真剣な顔で、
“君は出てきて映画を撮る運命だ。
私は人を見れば臭いで知ることが出来る。
私たちは似た魂を持っている”
と話した。
-運命という単語まで出てきた。
率直にその時あなたはどう思ったか?
私はすでに監督の作品だけでなく彼の性格や人間性にも魅了されていた。
私も彼との縁を感知した。
この監督と共に作品をすることになるようだ。
それも魂を呼び込む作品を。
何度か見ても真っ青にならない映画だ。
今回は演技パターンが完全に違った。
-それで結果的に自分の演技に満足するか?
非常に満足する。
-ある作品を撮る時俳優に最も大きい負担を与える場面がある。
そのシークエンスは三日程度撮った。
-<カット>は一時映画に及ぼした人ならば誰でも共感するほどの映画だ。
全部良いがその中でも修二が自身のからだに映画の画面を照らして、
-<カット>では100編の映画リストが登場する。
修二が‘こうした事は絶対映画でないのさ!’と考える映画の中に、
私が好む映画も多い。
私は好む作品の範囲がとても広いから。
B級ムービーも好む。
映画の中のリストはあくまでも修二のことだ。
監督が自身のこととも違うと話したよ。
-その中イ・チャンドン監督の <박하사탕>(1999)もあったのに。
私も好な作品だ。
ソル・キョングと必ず一緒に演技してみたい。
-その理由が何か?
今回徹底的に没頭して修二というキャラクターを作ったが、
ソル・キョングも多分そのようなスタイルの俳優であるようだ。
ジャンルに関係なく、一度一緒に演技してみたい。
-ひょっとして自分の顔がとてもハンサムで演技に邪魔になると、
考えたことはないか?(笑)
ウン? 私がハンサムだった?
私はそのように考えてみたことが一度もないが?
ある(どんな)人は <カット>ウを見て痩せたのが役割によく合ったといった。
だが、反対の役割ならば今すぐにでも肥らせることができる。
優しい役を担って良いイメージを積む時もあるが、悪役もいくらでもしたい。
俳優は外見にしばられてはいけないと考える。
実際に私はハンサムなこともなかったし!