2009.6.11公開
96 分
チョン・スイル監督
チェ・ミンシク主演
勤めていた会社もリストラされ、
家族はアメリカで生活しているという離れ離れの生活。
弟が経営している工場の従業員が事故で死んだ。
ネパール人のトルジの遺灰を届ける事になったチェ(チェ・ミンシク)。
4000mの高度の所にあるトルジの家族に会いに行く。
高山病に苦しめながらも、ヒマラヤにいる家族に会うが、
彼が死んだ事が伝えられない。
ヒマラヤの生活を通し、過酷な生活の中で生きて行く事の意味と、
家族の存在の大きさを知って行く。
「黒い土の少女」ではアート系映画として多くの映画祭で受賞した、
チョン・スイル監督の作品に3年ぶりにチェ・ミンシクが出演した。
本編のほとんどのシーンはセリフがなく、
少年との会話はわかりやすい英語での会話となる。
ヒマラヤの美しい景色、チベット仏教のタンカや5色旗、マニ輪やバター茶など、
その土地の風習などを織り込んだ作品。
6000m級の山を見上げながら、
私にとっては懐かしい風景が出てくる楽しい映画であったが、
チベット仏教などに果たしてどのくらいの人が知っているのだろうかと疑問もある。
普通の人にとっては、音がほとんどない、
風の吹きすぎる感覚だけがこの映画を支配する。
繊細でその雰囲気を理解しない観客にとっては、
退屈に見えるかもしれないぎりぎりの作品を監督は作ったようだ。
私は楽しく見る事が出来たが、
きっと観客の中での半分は眠くなるのを我慢していたかも知れない・・・。