婚約指輪
この旅の最終日のランチの時
僕の元に返ってきました。
1年前、さあやにプロポーズをした時
お渡しした指輪です。
あの時、一緒に見た海に沈む夕日
彼女の表情、言葉、幸せな気持ち
この1年間、忘れたことはありませんでした。
そして彼女も
あれから1年間、どんな時もずっと指輪を
つけてくれていました。
僕とのデートの時も
東京で友達と遊んでいる時も
この旅もずっと。
だから、どんなことがあっても
指輪をつけていてくれる限り…
『結婚を約束している』
僕にとって、あの指輪は
そう思える最後の砦でした。
彼女から『これ返す。』と言われた時
『あの時の幸せな記憶は…
ずっと待っていた1年間は…
これで無いことなったんだ。』
と僕らの間には、何の約束も
無くなったことがすごく辛く感じたんです。
でも
続く…
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