九州南部に大雨特別警報を予告 台風10号、気象庁「最大級の警戒」
2024/08/28
https://img-s-msn-com.akamaized.net/tenant/amp/entityid/AA1pxzN6.img?w=534&h=319&m=6
台風10号の衛星画像。28日朝の時点で非常に強い勢力となっている=気象庁ウェブサイトから© 朝日新聞社
気象庁は28日午前7時、非常に強い台風10号の九州南部への接近に伴い、同日昼ごろに鹿児島県に暴風、波浪、高潮の特別警報を出す可能性があると発表した。雨量の状況によっては宮崎県を加えた九州南部で大雨特別警報を出す可能性もあるという。同庁は「経験したことのないような暴風や記録的な大雨などが予想され、最大級の警戒が必要」として、雨や風が強まる前の明るいうちの避難を呼びかけている。
台風10号は、29日にかけて九州南部に接近してその後上陸する恐れがある。宮崎と鹿児島の両県では29日夜にかけて線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる恐れがある。
台風を要因とする特別警報は、全国で5千人超の死者・行方不明者が出た1959年の伊勢湾台風級（中心気圧930ヘクトパスカル以下または最大風速50メートル以上）や、数十年に1度の強さの台風によって暴風などが予想されるときに発表される。
台風による暴風などの特別警報が発表されれば、2014年の台風8号で宮古島と沖縄本島地方に、16年の台風18号で沖縄本島地方に、22年に台風14号で鹿児島県に出されて以来、4回目となる。
28日午前6時時点の観測によると、台風10号は鹿児島県奄美市の北東約80キロにあり、中心気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートル。ゆっくりした速度で北西に進んでいる。
台風の影響で西日本を中心に大雨が見込まれ、29日午前6時までの24時間に予想される雨量は、九州南部500ミリ▽九州北部と奄美で各300ミリ▽四国250ミリ▽東海200ミリなど。九州南部ではその次の24時間でも600ミリが予想され、同じ場所で長時間の豪雨となる恐れがある。
交通も既に乱れ始めている。東海道新幹線は静岡県内の大雨の影響で27日朝から断続的に運転を中止した。JR各社によると、31日までの間に東海道、山陽新幹線で計画運休の可能性があり、九州新幹線は熊本―鹿児島中央間で28日夜から29日にかけて運転を見合わせるという。
日本航空（JAL）は28日午前11時時点で、九州地方や羽田などを発着する国内線と国際線を含め28～29日の計178便を欠航すると発表。全日空（ANA）も28日午前9時30分時点で、28～30日の3日間で九州や関西などを発着する国内線112便を欠航すると発表している。（大山稜）
関連するビデオ: 【解説】台風10号「非常に強い勢力」で勢力落とさず九州に接近 30日（金）に近畿方面に (読売テレビニュース)
【解説】台風10号「非常に強い勢力」で勢力落とさず九州に接近 30日（金）に近畿方面に
鹿児島県に暴風、波浪の特別警報発表 九州や四国で線状降水帯の恐れ
【速報中】屋久島で瞬間最大風速38メートル 九州各地、風雨に警戒
自転車並みに遅い台風10号 専門家「偏西風がつかまえ損ねた」