マイナ保険証ゴリ押しへ新たな「ニンジン作戦」…10月からこっそり診療報酬4割アップの姑息2024/07/19

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支援金をバラマキ、補助金は4割アップ(厚労省公式Xから)

支援金をバラマキ、補助金は4割アップ(厚労省公式Xから)© 日刊ゲンダイDIGITAL

現行の保険証廃止まで残り5カ月を切ったが、マイナ保険証の利用率はいまだ9.9%(6月)。1割にすら届いていない惨状だ。利用率向上に躍起の政府が、医療機関の頬をカネで張る新たな「ニンジン作戦」を打ち出した。

厚労省は5~7月を「マイナ保険証利用促進強化月間」に位置付け、予算217億円を元手に病院や薬局へ支援金をバラマキ。6月には補助額を最大20万円から40万円に倍増する“禁じ手”にまで手を染めた。

なりふり構わずニンジンをブラ下げたものの、まったく成果に乏しく、6月の利用率は前月比2.17ポイント上がっただけ。民間企業なら「コスパ悪過ぎ」とドヤしつけられる“営業成績”だが、厚労省は反省の色なし。懲りずに繰り出す次なる一手が、診療報酬の加算だ。

6月の診療報酬改定で、デジタル化を進めた医療機関にインセンティブを与える「医療DX推進体制整備加算」を新設。初診時に限り、診療報酬の点数に医科8点、歯科6点、調剤4点をそれぞれ加点する仕組みをつくった。

さらに医療機関へアメを与えるべく、厚労省は今月17日の中央社会保険医療協議会(中医協)に加算の見直し案を諮問。10月からマイナ保険証の利用率に応じて、最大で医科11点、歯科9点、調剤7点を診療点数に上乗せする案を諮り、中医協は即日、了承した。

診療報酬は1点につき10円。見直しによって、医科なら報酬は80円から110円に増額される。ざっと4割アップだ。保険証廃止の撤回を訴える全国保険医団体連合会(保団連)事務局次長の本並省吾氏が言う。

「マイナ保険証の利用促進キャンペーンが終わったら利用率が伸び悩むと分かっているからこそ、新たな『ニンジン作戦』を用意したのでしょう。本来、診療報酬は診療行為に応じて支払われるのであって、利用率の実績は目的外です。6月に診療報酬を改定したばかりのタイミングで、しかも国会での説明もなしにコソコソと進めるとは許しがたい。物価高によって光熱費や病院食のコスト増に頭を抱える病院もあるというのに、その窮状を脇に置いて利用率向上には大盤振る舞い。『医療の質の向上』をうたうなら、お金をかけるべきは病院設備や医療従事者の処遇の改善、医薬品の安定供給ですよ」

どれだけの税金と保険料をムダにすれば気が済むのか。

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