ロシア政府が、北方領土で最も日本に近い貝殻島での日本船の漁業の「停止」を通告

投稿日:2024年7月14日

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RT

ロシアのプラウダが、「ロシア外務省が、貝殻島周辺での日本の漁師による操業を停止すると発表した」と報じていました。

「貝殻島ってどこだっけ?」と改めて見てみますと、いわゆる北方領土の中で最も日本本土に近いところにある島です。

貝殻島は、いわゆる北方領土の歯舞群島にある低潮高地。北海道根室半島の納沙布岬の北東沖合3.7キロメートルに位置し、北方領土の島の中では最も日本本土に近い。

名称は、アイヌ語の「カイ・カ・ラ・イ(波の・上面・低い・もの(岩礁))」に由来する。ロシア語地名は、シグナリヌイ島。

貝殻島

地図を見る限りでは、ほぼ日本沿岸なんですが、ロシア領のようです。

貝殻島

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Google Map

ここで、日本の漁師さんたちが、どんなものを収穫しているかというと、

「コンブ」

のようです。

プラウダの記事では「海藻」とまとめていますが、海藻の中でもコンブということになるようです。コンブはロシア人は食べないものですね 。

コンブ漁に関しては昨年の報道に以下のようなものがありました。

シグナルヌイ島(貝殻島)周辺海域でのコンブ漁 日ロが合意 採取料は8,250万円

日本とロシアの当局は、クリル諸島南部(北方四島)のシグナルヌイ島(貝殻島)周辺海域で、日本の漁業者がコンブを採取する問題について合意に達した。日本の漁業者は約8,250万円の補償金(採取料)を支払い、6月1日から9月30日まで204隻の漁船が操業を許可される。日本の海岸からわずか 3.7 km に位置するシグナルヌイ海域は、第二次世界大戦後、クリル諸島南部で初めて二国間の経済協力が行われた地域。

北方領土の話題と最新事情 2023/04/23

これを「 7月15日から停止する」と通告してきたようで、1年も経たずに停止となったようです。

理由としては、「灯台の修理」ということになっていますが、どうやら、日本が新たな対ロシア制裁パッケージを承認したことに対しての報復っぽい感じのようです。ものがコンブということで、影響がどのくらいになるのかはよくわかりませんが、一部には影響が出そうです。次に、サケとかマスなどの漁業にも何らかの対処がされてくると、結構厄介ですね。

これについて、ロシアのプラウダの報道です。

 

ロシアは日本政府の主張を受けて日本の漁師による漁業の停止を通告した

Россия остановила промысел японских рыбаков после претензий Токио Читайте больше на
pravda.ru 2024/07/12

ロシアは灯台の修復要求に応じて日本の漁業を停止した

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小千島海嶺のシグナルヌイ島(貝殻島)一帯での日本人漁師による海藻漁が 7月15日から中止されるとロシア外務省が発表した。

その理由は、この島にある灯台の改修工事のためだ。

ロシア外務省のウェブサイトに掲載されたメッセージには、日本の漁師たちが 1981年の二国間協定に基づいてマレー千島海嶺のシグナリヌイ島の海域で海藻を収穫していると記載されている。収穫はロシア領海で行われている。

そして以前、日本政府は灯台の運営に関して主張を行った。

「最近、日本側はモスクワと東京の外交ルートを通じて、この島にある灯台の「停電」に関連して情報を要請したが、同時に海運の他の参加者からは故障の報告はなかった」とロシア外務省は声明で述べた。

ロシアは「日本の漁師がこの海域で行っている海藻の収穫を含め、航行の安全を確保するため」灯台の安定運用を再開するよう「要求」されたとした。

「これに関連して、ロシア側は、起こり得る事件を防ぐため、 7月15日から灯台の予定されている修理・保守作業が完了するまで、シグナルヌイ島周辺での日本の漁業を停止することを決定した」とロシア側は述べた。ロシア外務省が伝えた。(コメント / 日付けを決めていないということは、無期限に停止できるということだと思われます)

今年 5月、ロシアと日本が 2024年のロシア 200海里水域内のサケ漁枠について 3年ぶりの交渉を行ったとの報道があった。

モスクワと東京が最後にロシア水域での日本の漁師によるサケ漁の割り当てについて合意したのは 2021年だった。同時に、日本の200マイル水域で日本の漁師によるロシア原産のサケ・マスの漁獲枠が近年合意され、承認された。

特に 2024年は昨年並みの 2050トンとしている。一方、日本側は、実際に漁獲された魚の量に応じて、ロシアに 1億8000万円から 3億1300万円を支払わなければならない。

ロシアと日本は、1984年の協定に基づき、互いの 200マイルの排他的経済水域内で漁業を行っている。毎年、各国は魚介類の漁獲枠について合意したり、その他の問題について話し合ったりするための協議を開催している。

しかし、これらの交渉の後、日本当局は別の対ロシア制裁パッケージを承認した。これがその後の漁獲枠に関する交渉のインセンティブになるとは到底考えられない