東京都知事選で見えたのは…フランスとは逆の「民主主義の危機」だった 西村カリン ニッポン見聞考(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/865.html 2024 年 7 月 12 日

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東京都知事選で見えたのは…フランスとは逆の「民主主義の危機」だった 西村カリン ニッポン見聞考
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/357469
2024/07/11 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし

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小池百合子都知事(C)日刊ゲンダイ

 イギリス、イラン、フランス、米国、日本……。今年中に、複数の国々で重要な選挙が既に行われたか、これから行われる。

 母国であるフランスの国民議会(下院)の総選挙で、予想外に極右の「国民連合」が左派に負けた。日本での東京都知事選で、引き続き、小池百合子氏が選ばれた。蓮舫氏が予想より票を集められなかった結果を踏まえると、政権交代の期待はまだ遠いような気がする。

 フランスの選挙活動と都知事選の選挙活動に注目したが、両方とも民主主義の危機の兆しが見えた。

 都知事選では、候補者の人数の多さや、ちゃんとした討論会がなかったことがおかしい。今回の都知事選だけでなく、日本のほとんどの選挙活動は、街頭演説、SNSや動画で、一方的に発言するに過ぎない。他の候補者との討論がなく、それぞれの候補者は言いたいことを言い放題だ。誰もその場で反論できない。

 議論がないことは、日本の民主主義の危機の最も深刻な証拠だ。マスコミ、特にテレビは全く役割を果たしていない。生放送の番組で、同時か別々に候補者を呼んで、実績や公約を追求していない。インタビューがない。討論会の番組を全く設けていない。「討論」と呼ぶ番組があっても、参加者は順番で話して、誰も反論をしない。

 国民は一体どんな材料に基づいて、意識を持って投票するのか、私からするといまだに謎だ。日本の民主主義は、麻酔を受けた民主主義だ。つまり、権力者が嫌なことをしたとしても、動かないし、投票しない国民が多すぎる。諦めているみたい。

 フランスは、日本の逆だ。重要な選挙の際に、政治が話題になる。党首たち、候補者などは毎日ラジオやテレビの生放送番組に出演し、鋭い質問を受ける。答えられない候補者は当選しないリスクが極めて高い。マスコミは候補者の履歴や過去の発言などを調べたり、調査したりして報道する。

 ただ、討論会などがあまりにも激し過ぎて、ケンカや侮辱につながってしまう。こんな場面も民主主義の危機の証拠だと思う。一部のテレビやラジオは視聴者を増やすために、意図的に政治家にケンカさせる。

 総選挙中に少なくとも、51人の候補者らは暴力行為を受けてしまった。民主主義の国では許されないことだ。


西村カリン ジャーナリスト

仏の公共ラジオ「ラジオ・フランス」とリベラシオン紙の特派員。1970年、仏で生まれ、2004年末から20年までAFP通信東京支局特派員。近著に「Japon,la face cachée de la perfection(日本、完璧さの隠れた裏側)」、初の小説「L'affaire Midori(みどり事件)」。
 

以下コメント略

 

都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は… ラサール石井 東憤西笑(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/881.html 2024 年 7 月 14 日

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都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は… ラサール石井 東憤西笑
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/357407
2024/07/11 日刊ゲンダイ

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石丸伸二氏(C)日刊ゲンダイ

 都知事選の結果は出た。投票率が上がったことは良かった。その上での結果だ。これが民意なのだから仕方がない。蓮舫推しであった私には残念至極だ。

 しかし驚いたのは石丸伸二氏の2位だ。165万票、無党派層の4割。とくに若者を惹きつけた。蓮舫氏の街宣の人の集まり具合は凄かったが、どうやら今はそういうことではないらしい。途中抜け出した大学生は「話が難しくてわからない」と言った。Z世代は「政治的な話や党派対立を嫌う」とも言われる。いや政治家の演説で政治的な話をするなと言われても、と思うが石丸氏はそれを実践した。

 最後の街宣を聞いたが、政策の話など一切ない。自分の生い立ちや頑張ってきた話。まるで夏フェスのエンディングだ。私には気持ち悪いが聴衆は酔っていた。

 以前からXには過去の安芸高田市の市議会の様子などが流れていた。随分パワハラ体質の人だなと思った。実際に、ある議員とは訴訟になり、敗訴している。他にも選挙のポスターの印刷代金100万余を公費で賄える30万しか支払わず、印刷会社から訴えられこれも敗訴し支払いを命じられた(判決は7月5日。だがマスコミは選挙翌日の8日に一斉に報じた。えー⁉)。

 そして選挙後のインタビューがひどかった。まず質問に必ず顔をしかめ時間を置く。質問がとんちんかんだと言わんばかりに。そして難癖をつける。質問者がひるむとここぞとマウントを取る。不毛な会話が続く。どの局もこの連続。

 ただTBSラジオの荻上チキ氏と武田砂鉄氏はかなり頑張った。どう見ても石丸氏がおかしく異常に見えたと思うのだが若者は違うらしい。そもそも彼らはテレビも見ないしXも見ない。

 見るのはショート動画とYouTube。そしてそこには石丸氏を称えるような動画ばかりだ。

 映画は倍速で見る、ギターソロは飛ばす、長い本は読めない、という若者たちのスマホに、検索しなくても石丸氏のカッコいいショート動画が現れる。一度見たら同じようなものをAIが選んでどんどん見せてくる。

 そこで興味を持ったから自分でもっと調べてみよう、他の人と比べてみよう、などということはしないんだな。文句なく飛びつくんだ。

 水道橋博士によると、まだ12歳のジャーナリスト、中学生新聞くんが「この人、厨二病ですね」と言ったそうで。中1に言われるって。

 しかし思えば過去にも、小泉純一郎や橋下徹に熱狂し、騙されていた時期がある。学ばないなあ我々は。


ラサール石井 タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。
 

以下コメント略