すべてが異様だった都知事選を総括・分析 悪夢のような結末は歴史の分岐点になる予感(上)嘘とゴマカシ、醜聞まみれの百合子圧勝に心ある有権者の絶望(日刊ゲンダイ)
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※紙面抜粋
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すべてが異様だった都知事選を総括・分析 悪夢のような結末は歴史の分岐点になる予感(上)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/357277
2024/07/08 日刊ゲンダイ
嘘とゴマカシ、醜聞まみれの百合子圧勝に心ある有権者の絶望
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何から何まで異様だった都知事選、騙し欺き都知事が圧勝とは…(C)日刊ゲンダイ
何から何まで異様だった都知事選は7日に投開票され、悪夢のような結末に終わった。
現職の小池百合子東京都知事(71=自民、公明、都ファ支援)が291万票を得て、3選。当初、一騎打ちとみられた蓮舫前参院議員(56=立憲民主、共産、社民支援)は128万票と伸びず、小池を追い詰めるどころか、石丸伸二前安芸高田市長(41)に逆転されるボロ負けだった。
この選挙結果にケチをつける気はないが、絶望的になってくるのは、この国の民主主義の危うさの方だ。小池は正々堂々と戦って勝ったわけではないのである。
公務を理由に政策論争から逃げ回り、噴出する疑惑への質問を封じるためにオンライン会見などで記者を制限、公開討論に応じたのも2回だけだった。その一方で、選挙直前の6月に低所得者層に1万円の商品券を配るなど、“買収まがい”のようなことをした。
そんな小池を自公は支援したが、裏での票固めに徹し、表には出ないように身を潜めた。つまり、まっとうな審判を避けるために、現職都知事が、ありとあらゆる策を弄し、民主主義の“当たり前”を踏みにじった選挙戦だったのである。
それなのに、フタを開ければ小池の圧勝、開票と同時に当確が出る「ゼロ打ち」だった。政治を真剣に考えている有権者ほど、この結末には暗澹たる気持ちになったのではないか。
「何から何まで異様な都知事選でしたね。国民から猛烈な批判を受けている与党が候補者を出せずに、小池氏にステルスで抱きついた。それなのに、野党は批判票を受け止められずに、無党派層は分断された。ネット社会の若者は石丸氏に流れ、マトモな政策論争もないまま、目立たない戦術に徹した小池氏が消去法の雪崩現象で圧勝した。56人もの候補者が出て、選挙を金儲けにしたり、面白がる風潮の中で、民主主義が流動化していく懸念を強く感じる選挙でした」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
改めて言うまでもないが、小池は学歴詐称など複数の疑惑で刑事告発されている。元側近は次々離反し、小池を「嘘つき」と断罪している。
「都民ファーストの会」元事務総長の小島敏郎氏は「嘘は良くない。検察は捜査に乗り出してほしい」と言い、エジプト留学時代に同居していた北原百代氏は「あなたは日本の法律に違反することをして、今の地位を築きました」と月刊誌で書いた。
小池は今後、検察から事情を聴かれることになるし、そうなれば、改めて自民党に接近し、国政への野望を抱く可能性も大いにある。
果たして小池は4年後も都知事をやっているのか。その時、都民が目覚めても遅いのだが。
まんまと奏功した政権与党のステルス抱きつきに加担した大メディア
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この先4年も、だ…(C)日刊ゲンダイ
政権与党の自公両党は前回の都知事選に続き、自前の候補を擁立できなかった。裏金事件の猛逆風で誰を立てても惨敗は確実。そのため、嘘つき女帝にひれ伏し、ステルス支援という姑息な手段を選んだ。主導したのは萩生田党都連会長である。
役職停止処分をくらった「ミスター裏金」が今なお都連会長に収まっているのは、小池とのパイプ役を期待されてのこと。自公と小池の協力関係には腐臭がプンプン漂う。
選挙の裏に萩生田アリの「萩生田百合子」の争点化を嫌い、小池は自民党色を徹底排除。序盤は街頭に立たず、自身の疑惑の核心を突くフリー記者を完全無視し、テレビ討論会も公務を理由に断り続け、最後まで「逃げの選挙」を貫いた。
そのくせ、自民の組織票欲しさに、党都連が呼びかけた「各種団体総決起大会」に駆けつけ、せっせと“組織固め”に精を出した。「いただき女子」も真っ青のいやしさだが、まんまと奏功した政権与党のステルス抱きつき、不都合な真実を隠す小池のダメージコントロールに、大手メディアも加担したのだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。
「2期8年を務めた現職知事が議論から逃げるのは『恥』です。小池知事にテレビ討論会を断られたら、その旨を視聴者に伝え、他の主要候補だけで開催すればいい。小池知事の逃げの姿勢を知らせるのも、有権者の投票行動に有益な情報となる。一方でテレビのコメンテーターは蓮舫氏の小池都政に対する批判や提言を『攻撃』と言い換え、ネガティブな印象操作も行った。これでは現職知事への忖度です。健全な民主主義は情報の開示と真摯な議論があればこそ。選挙の実相を伝えない大手メディアは、もはや民主主義の敵です」
最終盤に小池の街宣で巻き起こった「辞めろ」コールを伝えたり、石丸の危うさを検証する報道はほぼ皆無だった。大手メディアがまともに機能していれば都民の「地獄の選択」は避けられたに違いない。
以下コメント略