6月開始の「定額減税」、年収が少なく納税額が4万円に満たない人は損するの?【バイト・パートほか】 2024/06/20
(画像=Ameashi / stock.adobe.com)© 6月から始まった定額減税 パートやアルバイトで納税額が少ない人、扶養家族が多い人は損するの?
6月に支給される給料から、所得税・住民税からそれぞれ1年あたり3万円と1万円(合計4万円)を差し引いてもらえる定額減税が始まるが、パートやアルバイト勤めの人からは、全額引いてもらえるのか心配する声も上がっている。「税金を少ししか納めていない」という人はでも、損しないようになっているので安心してほしい。
■年収200万円以下の人、扶養家族が多い人……
心配する声が上がっているのは、納めている税金が少なく、「差し引く額に満たない」という人で、意外と多く、その数は2300万人ともいわれている(政府試算)。
たとえば、パートやアルバイト勤務で納税額が少ない人は全額引ききれない可能性が高い。年収がおよそ200万円なら、年間の所得税が3万円(諸条件により変動あり)なので、それに満たない人は全額引ききれないことになる。
また、扶養家族が多い人も、引ききれない可能性がある。というのも、扶配偶者や子供を扶養していると、減税される額が上がるからで、扶養家族一人あたり4万円だ(所得税3万円・住民税1万円)。
たとえば、専業主婦の妻と子供2人を扶養していれば、自身の減税額4万円に加え4万円×3人=12万円、減税額は合計16万円になる。
このほかにも、ローン控除やふるさと納税で税額控除を受けている人も、“納める税金が少ないため”引ききれない可能性があるのだ。
◾️引ききれなかった分は損する?
ここで気になるのは、「引ききれなかった減税額の分は損するか」ということだが、決してそうではない。引ききれなかった差額は「調整給付金」として受け取れるからだ。
たとえば、扶養家族が3人で減税額は16万円の人が、納める税金が5万円(所得税3万円、住民税所得割2万円)なら、引ききれなかった11万円が給付される。
この調整給付金は1万円単位で切り上げて支給される。たとえば、引ききれなかった額が1万4000円の場合、調整給付金は2万円。中には少し得する人もいるだろう。
また、パートの年収が103万円を超えて扶養家族とみなされないが、納める税金が(定額減税分には)足りないという人も、給付金として受け取れる。
◾️給付金をもらうには手続きが必要
しかし、調整給付金を受け取るには、市区町村へ書類を提出する必要がある。自治体によって手続きの時期や方法は多少異なるが、夏ごろには給付対象の世帯には通知が届く予定だ。
あわせて扶養家族を正しく職場に届け出ているかも改めて見直しておきたい。扶養控除申告書を提出していないと、家族分の減税を受けられなくなってしまう。
文/編集・dメニューマネー編集部
関連するビデオ: 「とても食べていけない」年金に「定額減税」反映、本日受給日も「恩恵別にない」「ピンとこない」 (読売テレビニュース)
「とても食べていけない」年金に「定額減税」反映、本日受給日も「恩恵別にない」「ピンとこない」
給料前借りとは違う「給与ファクタリング」、給料前は助かるが……悪質業者もいて金融庁が注意喚起
【ご祝儀貧乏】カードローンで3万円借りたら、利息はいくらになる?
定額減税の不明点は「所得税」と「住民税」のQ&Aで確認しよう!
2024/06/15
定額減税で、手取りが家族1人あたり「4万円」増えると聞いたのに、6月の手取りはあまり変わっていません。本当に「減税」されているのでしょうか…?
2024/06/16
https://img-s-msn-com.akamaized.net/tenant/amp/entityid/BB1oiUGQ.img?w=534&h=373&m=6
定額減税で、手取りが家族1人あたり「4万円」増えると聞いたのに、6月の手取りはあまり変わっていません。本当に「減税」されているのでしょうか…?© ファイナンシャルフィールド
定額減税で減税されるのは所得税3万円、住民税1万円
定額減税では、本人、扶養配偶者、扶養親族1人につき4万円ずつ減税されます。例えば、妻と子ども2人の4人家族で全員を扶養している場合だと、減税額は16万円になります。
なお、4万円の内訳は所得税3万円、住民税1万円なので、前述の4人家族の場合は所得税12万円と住民税4万円で16万円が減税されます。
定額減税による減税方法は? 所得税と住民税の違い
定額減税による減税方法は、所得税と住民税で違います。それぞれ見ていきましょう。
なお、以下の減税方法に当てはまるのは、会社員や公務員など給与として報酬をもらっている人であり、フリーランスや自営業の人は異なります。
所得税は6月から減税が始まる
所得税の減税が始まるのは6月です。ただし、あくまでも減税なので、減税額の上限は源泉徴収される所得税額までとなります。減税しきれない分は翌月の給与や賞与に持ち越されるため、6月に全額減税されるとは限りません。
例えば、6月に源泉徴収される所得税が1万円の人であれば、6月に増える手取りは1万円だけです。本人、扶養配偶者、子ども2人で所得税が12万円減税される人であっても、一気に減税されるのではなく、減税されなかった11万円は、次月の給与や賞与から減税されることになります。
住民税は6月は支払いなし、7月から残りを11等分して減税
住民税の減税も6月から始まります。6月は住民税の徴収が行われず、7月から翌年5月までの11ヶ月は定額減税後の金額を11等分した金額を支払う仕組みです。
例として、住民税が年間18万円で、配偶者と子ども2人を扶養している人のケースで計算してみます。本来であれば1ヶ月に支払う住民税は18万円を12ヶ月で割った1万5000円です。
定額減税が適用される今年は、6月は本来の1万5000円の住民税の支払いがなくなるため、住民税の分で1万5000円手取りが増えます。7月以降は本来支払うべきだった18万円から、減税される4万円を引いた14万円を11ヶ月で支払うことになります。
1ヶ月当たりの徴収額は1万2700円(7月のみ1万3000円)です。本来支払う住民税は1万5000円だったので、2300円ずつ(7月のみ2000円)減税される形となります。
定額減税での減税は少しずつであることに注意が必要
定額減税は税負担が小さくなることで、結果として手取りが増える制度です。
しかし、あくまでも減税であり、支給ではありません。定額減税で減る金額分の税金を1ヶ月で支払う人は少ないため、多くの人は数ヶ月に渡って減税されることとなります。
確かに本人と家族1人につき4万円、4人家族であれば16万円手取りが増えることになりますが、6月の手取りがいきなり16万円増えるわけではないので注意が必要です。
なお、定額減税による減税額は給与明細に記載されます。自分がその月にどれくらい減税の恩恵を受けられたのか、その都度確認すると良いでしょう。
出典
国税庁 給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
関連するビデオ: 「とても食べていけない」年金に「定額減税」反映、本日受給日も「恩恵別にない」「ピンとこない」 (読売テレビニュース)
「とても食べていけない」年金に「定額減税」反映、本日受給日も「恩恵別にない」「ピンとこない」
学生時代の先輩から言われるがまま生命保険に加入しました。このまま加入していたほうがいいのか、解約して投資に回したほうがいいですか?
専業主婦の妻がフリマサイトでハンドメイド品を売っています。税金を払いたくないのであまり稼いでほしくないのですが、実際いくらまでなら確定申告が不要ですか?
観光地での「写真撮影サービス」を毎回利用する妻。1枚「1500円」かかるのですが、自分で撮影するのと比べてどのようなメリットがあるのでしょうか?