政策活動費、公開されても「黒塗り」のまま? 岸田文雄首相は疑問にどう答えた 衆院特別委で規正法改正案可決 2024/06/05

https://img-s-msn-com.akamaized.net/tenant/amp/entityid/BB1nEtBi.img?w=534&h=473&m=6&x=671&y=262&s=208&d=208

衆院政治改革特別委員会で答弁を求める岸田文雄首相

衆院政治改革特別委員会で答弁を求める岸田文雄首相© 東京新聞 提供

衆院政治改革特別委員会は5日、自民党派閥の裏金事件を受け自民党が提出した政治資金規正法改正案の採決を行い、自民党、公明党、日本維新の会の賛成多数で可決された。

この日は岸田文雄首相(自民党総裁)も出席し、立憲民主党の岡田克也幹事長らの追及を受けたものの、使途が分からない「ブラックボックス」との批判を受ける政策活動費の公開基準などは未定のまま。改正案は6日の衆院本会議で可決する見込みだが、多くの疑念を残したまま法案審議は参院に移る。

◆岸田首相「簡単な議論ではない」

政策活動費を巡り、岡田氏は、関連する領収書が公開時に「黒塗り」にされる恐れがあるとして「第三者機関が一定の基準に基づいて黒塗りとする範囲をチェックするべきだ」と要求した。

さらに「なんでもかんでも政策活動費として認められるべきではない」と述べ、2025年度の政治資金収支報告書から第三者機関による監査を始めるよう求めたが、岸田首相はいずれも「簡単な議論ではない」として明言を避けた。

https://img-s-msn-com.akamaized.net/tenant/amp/entityid/BB1nEkaY.img?w=534&h=445&m=6&x=273&y=204&s=217&d=217

立憲民主党の岡田克也幹事長

立憲民主党の岡田克也幹事長© 東京新聞 提供

自民案は政策活動費について、収支報告書公表の10年後に領収書を公開するとしているが、具体的な公開内容は「早期に検討し、結論を得る」と記すにとどめており、実際の公開がいつになるかは分からない。仮に公開されることになった場合も、自民案では「黒塗り」にできる範囲はあいまいなままだ。

◆岡田氏「ズルズルとできない可能性」

自民と維新は政策活動費に関し、いったんは「10年後に領収書、明細書とともに使用状況を公開する」ことで合意。だが、その後に自民が取りまとめた修正案では、公開対象となる支出を「50万円超」とした当初案の項目を変更しなかったため、維新が強く反発。自民は維新の主張を受け入れ、全ての支出を対象とする内容に再修正した。

岡田氏は5日の特別委で「『政策活動費』として認めるかどうかの『入り口』のところでも、第三者機関が一定の基準に基づいてチェックしないといけない」と指摘。その上で、自民案では第三者機関の設置・監査のあり方などについて「時期の明示がない」と批判し、「ズルズル行って、結局できない可能性もある。来年度の政治資金収支報告からきちんと(第三者機関の監査を)適用できるように、年内に準備を終えると約束してほしい」と求めた。

https://img-s-msn-com.akamaized.net/tenant/amp/entityid/BB1nEvPu.img?w=534&h=437&m=6&x=333&y=57&s=696&d=345

衆院政治改革特別委員会で答弁する岸田文雄首相

衆院政治改革特別委員会で答弁する岸田文雄首相© 東京新聞 提供

これに対し岸田首相は「できるだけ早く取り組みを進めていく」と答弁し、期限の明示を避けた。

◆自民案、6月23日までに成立の見通し

政治資金規正法改正について、岸田首相は「今国会での改正へ全力を尽くす」と明言している。自民党の改正案は7日に参院政治改革特別委員会で審議入りし、23日の今国会会期末までに成立する見通し。

【関連記事】"岸田首相と維新・馬場代表の軽すぎた「合意」… 微修正を繰り返す自民「政治とカネ」法案、6日衆院通過へ

【関連記事】"「黒塗り領収書」をダメと言わない自民党 抜け穴だらけの修正案は4日にも衆院通過へ 政治資金規正法改正案

【関連記事】"総裁任期中の憲法改正困難 自民幹部「法案を優先」

関連するビデオ: 【速報】自民派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案が衆院の特別委員会で可決 (テレ朝news)

【速報】自民派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案が衆院の特別委員会で可決

 

東京新聞のサイトを見る

「国の指示なくても自主的に対応できるのでは」 疑問が尽きない地方自治法改正案、参院で審議入り

大川原化工機側と東京都側、双方から計11人の公安捜査員の証人申請 国賠訴訟の控訴審スタート

出生率が0.99まで下がった東京都 「極めて厳しい数字」と語った小池百合子知事 政策の効果は見えず