マダニの感染症治療に新型インフルエンザ用薬「アビガン」…厚労省部会が了承

2024/05/24

 厚生労働省の専門家部会は24日、新型インフルエンザの治療用に開発された抗ウイルス薬「アビガン」について、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)の治療にも使えるようにする適応拡大を了承した。近く正式に承認される見通しで、SFTSでは初の治療薬となる。

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抗ウイルス薬「アビガン」

抗ウイルス薬「アビガン」© 読売新聞

 アビガンは、富士フイルム富山化学(東京)が製造販売している。

 国立感染症研究所によると、SFTSは、主にマダニに刺されることで感染し、6~14日後に発熱や 嘔吐(おうと) などの症状が出る。致死率は約30%と高い。国内では昨年、過去最多の133人(速報値)の患者が報告された。

 同社がSFTSと診断された患者に実施した臨床試験では、発症後、10日間服用した19人のうち、28日以内に3人が死亡し、致死率は15・8%だった。対象患者が少ないことなどから、同社は追加の臨床試験を実施するとしている。

 SFTSに詳しい西條政幸札幌市医務・保健衛生担当局長は「マダニに刺されることを完全に防ぐことはできない。治療薬の登場で、より多くの命を救うことができる」と話している。

 アビガンは、新型インフルエンザの治療薬として、国が備蓄・管理している。

関連するビデオ: 【速報】抗インフルエンザ薬「アビガン」をマダニ由来の感染症治療薬として了承 (テレ朝news)

【速報】抗インフルエンザ薬「アビガン」をマダニ由来の感染症治療薬として了承

 

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