自民・鈴木馨祐議員が対応急変 官房機密費の選挙利用否定「断言」から「コメントしようがない」2024/05/14

 自民党衆院議員の鈴木馨祐政調副会長が13日放送のBS-TBS報道番組「報道1930」に生出演し、官房機密費について「選挙目的で使うことはない。断言する」としていた自身の発言について、林芳正官房長官が会見で「コメントを差し控える」と発言したことを念頭に「それ以上コメントしようがない」と話し、対応を変化させた。

官房機密費をめぐっては、自民党安倍政権で国政選挙に官房機密費が使われた疑惑が一部報道などで浮上。裏金問題に拍車がかかる中、鈴木氏は12日放送のNHK「日曜討論」で選挙目的の使用を否定していた。一方、林官房長官はこの件について13日の会見で「個々の議員の発言にコメントすることは差し控える」と対応していた。

「報道1930」で鈴木氏は、共産党の小池晃書記局長から「鈴木さんに今日聞きたいと思ったんですが、NHKのテレビで、『選挙目的で使うことはない。そこは断言させていただきます』とおっしゃった。断言するのは根拠がないといけない。これを断言できるのは官房長官だけですよ。官房長官が全部使っているわけですから。官房長官以外の人は使い道知らないわけですから。なんで断言したんですか、その根拠はなんですか、ということを聞きたい。テレビでおっしゃいましたからね」と、使途の記録が残らない官房機密費の特性を前提とした質問を受けた。

これに鈴木氏はまず「そこについては、今の現職の林官房長官が、記者会見でお答えをされています」と回答。すぐに小池氏が「コメントをしてません」と返すと、鈴木氏は「本来の官房機密費の趣旨について、ということで話をされています。今、現政権がそういう対応をされているわけですから、それ以上コメントしようがない、ということです」と説明した。小池氏に「昨日のテレビで『選挙に支出してませんと断言させていただきます』とおっしゃったわけですから。根拠あるでしょう、根拠なしに断言できないでしょう」と追及されたが、鈴木氏は「そういうことで言うと、今日、官房長官がああいった形で答えられているので、それ以上、私も与党の立場で言いようがない」と繰り返した。

小池氏に「根拠なしで言ったってことですよね。それは断言できませんよ、それはおかしい」と指摘されたが、鈴木氏は首をかしげるそぶりで無言の対応に。司会の松原耕二氏に「鈴木さんは『ありえないことだ、これは制度的に』と思ってらっしゃったから、そういう風におっしゃったと考えていいですか」と質問されても鈴木氏は「まあまあ、そこは先ほどの繰り返しになります」と発言し、この話題での議論はかみ合わなかった。

小池氏はあきれた様子で「河村さん、おっしゃってるじゃないですか」と一言。番組内で紹介された、河村建夫元官房長官が昨年の朝日新聞の取材に対し官房機密費を選挙の「陣中見舞い」に使ったとする発言に触れた。

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国会議事堂(2006年1月撮影)

国会議事堂(2006年1月撮影)© 日刊スポーツ新聞社