【全文公開】松本人志、周囲に「引退」を否定、妻も松本を支える 潔白を証明できれば「早い時期に復帰したい」との考えも 2024/03/25

松本人志は潔白を証明し復帰を目指すのか

松本人志は潔白を証明し復帰を目指すのか© NEWSポストセブン 提供

 ダウンタウンの松本人志(60才)が自身の“性加害”疑惑を報じた『週刊文春』を相手取り、5億5000万円の損害賠償などを求めた注目の裁判がはじまる。孤独な闘いの中で、沈黙を貫く笑いのカリスマが周囲に明かした本音とは。本誌『女性セブン』だけが知る肉声を独占詳報──。

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 東京・新宿区の吉本興業本社に、渦中の男が現れたのは2月上旬のことだった。トレードマークの金髪は短く切り揃えられ、服の上からでもわかる盛り上がった胸筋が、休業中も日課のトレーニングを続けていることを物語っている。ダウンタウンの松本人志(60才)が自身のXで《事実無根なので闘いまーす》と宣言し、芸能活動を休止してから約2か月半。表舞台から消えた松本の登場に、会社に居合わせた若手芸人は沸き立ったという。

「松本さんの周りで後輩たちがスマホでパシャパシャと遠巻きに写真を撮っていました。全盛期を知らない10代、20代の若手にとってもダウンタウンは憧れの存在で、松本さんと浜田雅功さん(60才)に影響を受けてお笑いを志した若者は少なくありません。初めて見るカリスマの姿に後輩たちは騒然となり、社内がちょっとしたパニックになっていました」(居合わせた芸人)

 松本の性加害疑惑をニュースサイト『文春オンライン』が報じたのは昨年12月26日。翌日発売された『週刊文春』(1月4日・11日号)には「呼び出された複数の女性が告発 ダウンタウン・松本人志と恐怖の一夜『俺の子ども産めや!』」と題された衝撃的な記事が掲載された。

「2015年冬に東京・港区の高級ホテルで開催された飲み会で、松本さんから性的な行為を強要されたと告発するAさんと、別の日に同様の被害を受けたとするBさんの証言で構成された内容でした。

 昨年6月放送の『まつもtoなかい』(フジテレビ系)で、松本さんはもし文春に突撃されたら『とうとうバレたか?!って言って逃げたろか』と話していました。しかし今回、自身に向けられたのは不倫スキャンダルではなく“性加害”疑惑。笑いで流すことはできず、直撃には『それはひどいな』、『無茶苦茶やな』と反論し、そのような事実は『ないっすねー!』と完全否定したのです」(芸能リポーター)

 文春の発売日当日、吉本興業は公式サイトで「当該事実は一切なく、本件記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を棄損するもの」との声明を発表した。一方の文春側は、記事には「十分に自信を持っています」と反論し、翌週以降も第2弾、第3弾と疑惑を追及し続けるキャンペーン記事を展開した。

「第一報が世間に与えたインパクトは大きく、週刊文春は“完売”を発表。第2弾以降の記事ではAさんやBさん以外にも松本さんの飲み会に参加したことがあるという複数の女性が証言し、『SEX上納システム』や『女性セレクト指示書』などといったセンセーショナルな見出しが誌面に躍りました」(前出・芸能リポーター)

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ダウンタウンの松本人志氏「1日も早くお笑いがしたい」裁判を前にコメント

 対する松本は1月22日、「筆舌に尽くしがたい精神的損害を受けた」として、文春側に5億5000万円の賠償などを求める訴訟を起こした。代理人弁護士は「記事に記載されているような性的行為やそれらを強要した事実はなく、およそ『性加害』に該当するような事実はないということを明確に主張し立証してまいりたい」とコメントしている。

「文春には10名近い女性が松本さんとの合コンの実態などを証言しましたが、性的な行為の『強制性』を訴えているのは最初の記事に出たAさんとBさんの2人のみ。裁判でも彼女たちの証言の信用性が争点になります」(前出・芸能リポーター)

 松本は、当初から性加害は「絶対にやってない」と周囲に話していたという。

「“明らかな嘘が書かれた記事だから、裁判に負けるはずがない”というのが松本さんの一貫した考えです。後にも先にも、女性に対して『無理やりしたことはないし、しようと思ったこともない』とも話していました。多くの冠番組を持ち、責任ある立場の松本さんは警察沙汰になるようなリスクを冒さないよう充分に注意を払っていたそうです。

 身の潔白を堂々と主張できるからこそ、仕事を休んででも裁判に臨む覚悟を決めたのです。今回の件は自分の名誉を回復するためだけではなく、行きすぎた報道やマスメディアのあり方を問う絶好の機会にもなると考えているようです」(松本の知人)

 それらは松本サイドの主張だが、“性加害”を報じた記事が損害賠償に値するかどうかは、第1回の口頭弁論が3月28日に迫った裁判において、双方の主張をもとに公平にジャッジされることになるので、その推移を見守るほかない。

「引退後の人生を費やしてもいい」

 一連の記事が報じられる前から、松本はネットメディアやスポーツ紙などが、テレビやラジオの発言を都合よく切り取って作る「コタツ記事」に警鐘を鳴らしていた。

「10年以上前から嘘やデタラメがまかり通るネットニュースや一方的な暴露記事を批判し続けていました。そうした報道のあり方を正すために『引退後の人生を費やしてもいい』と発言したこともあります。自分のことだからというわけでなく、無責任な“書き得”の記事が氾濫していることに怒りをあらわにしていたといいます」(前出・松本の知人)

 今回のことでは大手メディアの報道姿勢にも疑問を抱いているという。

「一部のテレビ局や番組が、松本さんが事実関係を否定しているにもかかわらず、まるで犯罪者のように取り上げていることに困惑していました。ワイドショーや情報番組は週刊文春が発売されるたびに記事を読み上げるだけで、自分にはきちんとした形での取材もない。“やった、やってない”を論じる以前に、明らかに公平性を欠く報道だというのです。コメンテーターや弁護士が臆測に基づく自説を主張していることにも不満を抱き、BPO(放送倫理・番組向上機構)に抗議を申し立てることも検討しているそうです」(前出・松本の知人)

 活動休止からおよそ2か月半。“告発”についての報道はとめどなくあふれているが、裁判を控える松本サイドは一切の情報発信を控えている。それだけに、松本がいま何を考えているのかが表に出ることはほとんどない。芸能関係者が松本の心情を代弁する。

「休業は松本さんにとっても大きな痛手。一緒に仕事をしてきた番組関係者や芸人、スタイリストやメイクなども含め、仕事が減ったり、失ったりした人たちに申し訳ないという気持ちもあるようです。それでも、裁判を抱えた状態で人を笑わせることはできない。自分の笑いを楽しみに待ってくれている人にも失礼だという理由で、松本さんは不退転の覚悟を決めたのです」

 文春に“女衒芸人”と名指しされた、たむらけんじ(50才)やクロスバー直撃の渡邉センス(40才)ら後輩を巻き込んでしまったことにも痛恨の思いを抱いているという。休業と同時に7本のレギュラー番組から松本の名前が消え、ファンのみならず芸能界からも“松本ロス”の声が上がりはじめている。

 3月11日の『クレイジージャーニー』(TBS系)では小池栄子が「(映像を見て)松本さんだったら何て言うかな? 一言聞きたいですね。『なんやねん』って言ってるのかな」と欠席中の松本に言及し、バナナマンの設楽統も「クスクス笑いながらね」と相槌を打った。

 同月14日に放送された『アメトーーク!』(テレビ朝日系)ではチョコレートプラネットとロッチがM-1やキングオブコントで審査員長を務めた松本の思い出を振り返り、笑い飯の哲夫は「絶対に松本さんが必要なんですよ!」と力説した。裁判の決着を見るまでは、松本を“タブー視”する必要はないと判断するテレビ局が増えているということだろうか。

「松本さんと連絡を取り合ったり、食事に出かける芸人仲間やタレントもいるようです。“いまはただ、待つだけです”とラジオで語っていた浜田さんも松本さんと何らかの形で連絡を取っているはず。昔から、人前では決して話すところを見せようとしない2人ですが、現状や今後の方針などを話し合っているんじゃないでしょうか」(前出・松本の知人)

趣味がない、お笑いがすべて

 昨年2月に放送された『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)で松本は自身の引き際について語った。

「『早ければもう2年。遅くても5年』と具体的な数字を挙げて“引退”を示唆していました。松本さんには2009年5月に結婚した元タレントの奥さんとの間にもうけたお子さんがいます。還暦を迎え、65才を区切りとして、お子さんが成人するときが“辞め時”と考えているのだとか。もっとも、今回のことで引退を前倒しにする気はなく、潔白を証明した後、なるべく早い時期に復帰したいという考えもあるようです」(前出・松本の知人)

 1982年にダウンタウンを結成して以来、お笑い界の第一線を走り続けてきた松本にとって、2か月以上、仕事から離れるのは初めての経験だった。

「こんなにも長い間、笑いのことやクリエーティブなことを考えずに過ごすのは『幼稚園以来』と言っていました。松本さんには仕事以外にこれといった趣味がなく、お笑いがすべてなんです。周囲にも“引退なんてするわけがない”と話していました」(前出・松本の知人)

 気がかりなのは実家に住む高齢の母親のことだ。

「90才になるお母さんが週刊誌やネットのニュースに触れることはないが、テレビをつければ連日のようにワイドショーで松本さんの話題が取り上げられている。ショックを受けてつらそうにしていることを知ったときは『さすがにキツい』と漏らしていました。

 松本さんは結婚前、奥さんに『俺はそれ(不倫)がない男ではないよ』と告げています。奥さんは、もし松本さんが浮気をして、会見で『一線は越えてません』などとごまかしたりしたら『ガッカリする』、『そんな松本人志は見たくない』と言ってのける気丈な人。今回の騒動でも松本さんの支えになってくれているそうです」(前出・松本の知人)

 沈黙を守ってきた松本は法廷で何を語るのか。裁判の成り行きに大きな注目が集まっている。

※女性セブン2024年4月4日号

 

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