「塩分の欠乏は心臓にダメージを与え、死亡率を高める可能性がある」という記事より
2024年3月21日
1920年代のオーストラリアでの塩作りの光景。 abc.net.au
減塩の危険性
以前、In Deep で、「塩が身体にどれだけ重要なものか」ということについて、アメリカの専門家の方の記事をご紹介させていただいたことがあります。
「塩」の重要性を調べている中で巡り会った「遺伝子系調味料」。すでに多くの加工食品に含まれている可能性が高し
In Deep 2023年2月28日
過度な減塩が実に身体にリスキーなことであるということがよくわかるものでしたが、先日、エポックタイムズで、やはり塩の重要性について書かれている記事を読みました。
これは、あくまで「塩は取り過ぎても、不足しても身体へのリスクがある」という内容のものですが、論文などを引用して、その適切な量などが提示されています。
大ざっぱにいえば、「小さじ 1〜 2杯の範囲」が適切ということになりそうで、グラムでいえば、3グラムから 6グラムの間です。
医学誌 Nutrients に掲載された論文からのグラフ
ただし、記事に出てくる別のランセットの研究では、「 5グラム以下では、心血管事象の症例が大幅に増加した」とありますので、少なすぎるも多すぎるのもリスクはほぼ同等ではあるとはいえ、少ないほうがリスクは高いようです。
また、塩分は過剰に摂取しても、一定以上は身体が受け付けないと思いますので、私自身、塩分の摂取は少なすぎるほうが問題は大きいと考えています。
記事をご紹介します。結構長い記事です。太字はこちらでしています。
塩分欠乏は生命を脅かす可能性がある。あまり知られていないその危険性
Salt Deficiency Could Be Life-Threatening. Here Are the Lesser-Known Dangers
Epoch Times 2023/03/16
過度な塩分摂取が心臓に及ぼす悪影響は否定できないが、驚くべきことに、塩分の摂取が少なすぎると心臓病のリスクも高まる可能性がある。
私たちは日頃より塩分を過剰に摂取することの危険性について常に警告されている。しかし、塩分の摂取が少なすぎると、より大きな危険に直面する人たちもいるのだ。
塩の重要性
塩は古くから食品の保存や調味料として使われてきた。古代人はミネラル豊富な湧き水を沸騰させて塩を得ることがよくあった。実際、知られている世界最古の岩塩坑のいくつかは、紀元前 6,000年頃まで遡ることができる。
「サラリー」という用語は、ローマの兵士が塩を購入するために与えられる手当を意味するラテン語の「サラリウム」に由来しており、日常生活における塩の重要性を反映している。人類の歴史を通じて、特定の戦争や都市の盛衰は塩と密接に関係していた。
しかし、塩分というと、「摂りすぎないほうがいい」「高血圧になる」「心臓に悪い」という思いがすぐに浮かぶ。しかし、実際には塩は私たちの生命活動に欠かせないものだ。
食塩の学名は塩化ナトリウムで、食事中の主要なナトリウム源だ。
「ナトリウムは私たちの生命機能を維持するために本当に必要なものです」と管理栄養士のシンディ・チャン・フィリップス氏はエポックタイムズに語った。「ナトリウムは電解質の一つです。それがなければ私たちは死んでしまいます」
人体の必須栄養素であるナトリウムは、体液と電解質のバランスを調節し、血圧を健康な範囲に保つ。フィリップス氏は、ナトリウムを水を吸収して運ぶスポンジのようなものだと説明した。「ナトリウムが行くところには、水も行くのです」と彼女は言う。
ナトリウムは、筋肉や神経細胞の信号伝達にも関与している。
「適切なレベルのナトリウムがなければ、神経細胞は発火できなくなります」とフィリップス氏は説明した。ナトリウムはまた、筋肉を収縮させる必要があるときに収縮させ、リラックスさせる必要があるときに筋肉を弛緩させる。
「私たちの心臓や肺も筋肉です。心臓が脈動するためには、心臓がいつ収縮し、いつリラックスするかを知る必要もあります」と彼女は言う。
食塩中の塩化物イオンは胃酸の必須成分だ。つまり、消化液の分泌にも塩分が必要なのだ。
成人男性の平均ナトリウム含有量は 92 グラムで、その半分（46 グラム）は細胞外液（血漿と血液を含む）に含まれている。約 11グラムは細胞内液に存在し、残りの 35グラムは骨格に存在する。 （※ 訳者注 骨格内にこんなにナトリウムが存在するとは知りませんでした）
塩分欠乏症になりやすいのはどのような人たちか
「塩欠乏症がまれであると言うのは、単にデータを見ていない、あるいは周囲で苦しんでいる人々を見ていないということです」と、ミズーリ州カンザスシティにあるセント・ルークス中米心臓研究所の心臓血管研究者で薬学博士であり、著者でもあるジェームズ・ディニコラントニオ氏は、 「ソルト・フィックス」について語った。
ディニコラントニオ氏は長年にわたり、塩が人体に及ぼす影響を研究してきた。2013年以来、塩に関する 15本の研究論文を学術誌に発表している。
同氏は、多くの人々が自分は塩分不足ではないという誤解は、適切な塩分欠乏検査を受けている人が少ないためであると説明した。血液中のナトリウム濃度の低下は、入院患者の間で最も一般的な電解質異常だ。同氏はまた、米国では毎年数百万人が低ナトリウム血症と診断されていると述べた。さらに、数百万人が血液量減少のため入院しており、「多くの場合、塩分不足が原因」だ。
低ナトリウム血症は、血液中のナトリウム濃度が異常に低い場合に発生する。外来患者でも入院患者でもよく見られる電解質異常だ。低塩分摂取量が低ナトリウム血症の考えられる原因の 1つと考えられている。
以前の研究によると、2006年から 2007年にかけて、英国では低塩分摂取と多量の水分摂取により 5,259人が入院した。血液量減少とは、塩分と液体の損失が摂取量を超えた場合の細胞外液量の減少を指す。塩は、適切な血液量を維持し、私たちの組織が酸素を運ぶ血液と栄養素で満たされるようにする上で重要な役割を果たす。
ジョンズ・ホプキンス大学医学部の研究者たちは、若者、退職者、救急搬送された高齢患者を含む 300人以上の血漿比重を測定する研究を実施した。
高齢の緊急治療室患者のうち、ほぼ 40%が血液量減少の可能性があるか、または確認されている。異常を報告しなかった若者と高齢者の間でも、それぞれ 5％と 8％が血液量減少症を患っていた。
血液量減少は、水分摂取不足にも関連している可能性がある。2型糖尿病を専門とする腎臓内科医のジェイソン・フォン医師は、「高齢者は喉の渇きのメカニズムが鈍っているため、水分が不足しがちで、塩分や水分が不足していることに気づかない可能性があります」と語った。
同氏はまた、認知症が高齢者の食事や飲酒習慣に影響を及ぼし、血液量の不足につながる可能性があるとも述べた。
しかし、塩は安価で広く使用されており、風味を高めるために食品に添加されることが多いため、世界のほとんどの地域では塩欠乏症は一般的ではないとも指摘した。
フィリップス氏は、塩分欠乏症の患者が相談を求めてくることは稀だが、国民の塩分欠乏を無視することはできないと述べた。「疫学では、発生率が低いのは診断が不十分なことが原因である場合もあります」と彼女は言う。
介護施設や病院で暮らす高齢者は、薬物の使用や心臓病、腎臓病、ガンなどの特定の健康状態により、血中のナトリウム濃度が不足している可能性がある。さらに、過度の嘔吐、下痢、発汗により、体から塩分が大幅に失われる可能性がある。
ディニコラントニオ氏は、カフェインの過剰摂取、高温、睡眠時無呼吸症候群、利尿薬の使用、白湯の過剰摂取、低炭水化物の食事、絶食はすべて塩分の喪失につながる可能性があると指摘した。同氏はまた、甲状腺ホルモンが腎臓でのナトリウムの再吸収を調節する役割を果たすため、甲状腺機能低下症の人は塩分欠乏症になりやすいとも述べた。
塩欠乏は心臓にダメージを与え、死亡率を高める可能性がある
一般の人々の塩分摂取量を比較的低いレベル（小さじ1杯未満）に制限することを推奨するいくつかの食事ガイドラインがあるが、しかし、塩分摂取量が低すぎると、実際には心血管事象や死亡のリスク増加につながる可能性がある。
小さじ 1杯の塩は約 5グラムで、そのうち 2.3グラムがナトリウムだ。2020年に医学誌ヨーロピアン・ハート・ジャーナルに掲載された研究では、181カ国のナトリウム摂取量と平均余命を調査し、ナトリウム摂取量は平均余命と正の相関があり、全死因死亡率と逆相関していることが判明した。
この研究では、食事によるナトリウム摂取は寿命を縮める原因や早期死亡の危険因子ではないと結論付けている。
高度の塩分摂取が心臓に及ぼす悪影響は否定できないが、驚くべきことに、塩分の摂取が少なすぎると心臓病のリスクも高まる可能性がある。
2018年にランセット誌に掲載された研究では、18カ国の約 1万人を対象とした中央値 8年間の追跡調査で、1日当たり5グラム以上のナトリウム摂取量の参加者では心血管事象のリスクが大幅に増加したことが明らかになった。心血管事象のリスクは、ナトリウム摂取量が最も低い 1日あたり 4.5 グラム未満の参加者でも大幅に増加した。
2021年に『Nutrients』誌に掲載された研究では、心血管疾患と死亡のリスクを最も低く抑えるための最適なナトリウム摂取量は 1日あたり 3グラムから 5グラムであることが示唆されている。
研究者たちはそれを「スイートスポット」と呼んだ。摂取レベルが高い場合も低い場合も、健康への悪影響の増加と関連していた。
ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは 2014年、17カ国の 10万人以上を対象とした追跡研究を発表した。平均 3.7年の追跡調査の後、研究者たちは、ナトリウム排泄と有害な心血管イベントおよび死亡のリスクが「J字型」曲線を描いていることを発見した。
彼らは、理想的な 1日のナトリウム摂取量は 3グラムから 6グラムの間であると示唆しており、ディニコラントニオ氏もこの推奨事項を支持している。
ディニコラントニオ氏は、日本と米国を例に挙げ、日本の塩分摂取量は世界の他の国々と比べて相対的に高く、米国よりもさらに高いにもかかわらず、日本人の心臓病のリスクは米国人よりもはるかに低いと述べた。
塩分欠乏の一般的な兆候
（※ 訳者注 この項目は、ひとつひとつに詳しい説明がありますが、非常に長いですので、項目だけとさせていただきます）
1. 疲労、筋力低下、けいれん
2. 起床時の軽いめまい
3. 頭痛、物忘れ、精神錯乱
4. うつ病とストレス
身体が塩分を調節する仕組みは「非常に賢い」
食べ物、特に甘いものへの絶え間ない渇望は、体内の塩分が不足している兆候である可能性がある。
体には塩分濃度を調節するための複雑かつ厳密な自動機構が備わっている。簡単に言えば、体に塩分が不足すると、脳がこれを検出して体に信号を送り、関連するホルモンの変化を引き起こす。
これらの変化は、塩辛い食品への関心と必要性を引き起こす。逆に、体内の塩分が過剰になると、他のホルモンが分泌され、喉の渇きや食欲が促進され、より多くの水を飲むようになる。
「人間の体は、必須ミネラル、特に塩と同じくらい重要なミネラルの摂取量を調節するのに非常に賢いのです」とディニコラントニオ氏は言う。「一度の食事で塩分を過剰に摂取すると、身体には生来の安全機構が備わっており、その日の後半には塩分を減らしたくなるのです」
動物実験では、最初は塩水を嫌がるラットが、体の塩分の必要性を知らせるホルモンを注射されるとすぐに熱心に塩水を摂取するようになることが実証された。
「塩分が不足すると、脳内のドーパミン報酬中枢が活性化し、塩分を求めるようになるのです」とディニコラントニオ氏は言う。
しかし、これは塩分を得るために加工食品を過剰に摂取することにつながり、その結果、砂糖などの他の依存性物質を誤って摂取してしまうことにつながる可能性もある。
「塩分は控えめに」－大嘘の常識が広がった「塩」の真実。
http://shinhakken-blog.seesaa.net/article/445693977.html
http://shinhakken-blog.up.n.seesaa.net/shinhakken-blog/image/E5A1A9.jpg?d=a1
良質の天然塩が放射能を遮断（海水塩・岩塩）
http://radijp.net/naturalsalt.html
気をつけろ！減塩しすぎると「認知症」になる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50456
「海水で病気が治っては儲からない」
http://blog.livedoor.jp/zabu2233/archives/1061696553.html
http://livedoor.blogimg.jp/zabu2233/imgs/4/b/4b36dda7.jpg
塩分不足？
データから
血液学の石原結實先生と免疫学の安保徹先生の対談から
減塩運動で増加した高血圧患者
石原―塩分を制限すると体温が下がるのですが、私は塩分を制限すること自体 ががん発生の原因じゃないかと疑っているんです。
安保―世界で一番たくさんの塩分を摂っている日本人の平均寿命が世界一なん ですからね。
石原―昔の東北地方は今より寒かった ～略～ たしかに塩は体温を上げる 効果がありますからね。全国一律の減塩運動のおかげで、東北地方の人は体 温が下がってしまったんです。その結果、体が冷えて肺炎になって命を落と したり、うつ病になって自殺するというケースも増えていると思われます。
全国平均に比べて２～３歳低かっただけなんです。
塩分だけが血圧を上げていたわけではなくて、たとえば寒さそのものが上げていたかもしれないし、寒さによる運動不足が原因かも知れないじゃありませんか。
安保―人間にとって塩分がいかに大事なものであるかを実感するのは、嘔吐し たときなんです。吐いたときの状態を想像すると、「胃の中の水分が体の外 に出て脱水状態となる」と考える人が多いはずです。しかし、胃液や消化液 と一緒に塩分も出てしまうので、「脱水状態」というより「脱塩状態」にな っているのですね。にもかかわらず、「脱水状態」だと思って水分を摂って しまうのですが、そうするとまた吐いてしまいます。それは、塩分が少なく なっているところに水分が入ってきたら、ますます濃度が薄くなってしまう・・・・
石原―逆に、食塩水を飲むと吐きませんね。
精製塩（９９．９％Ｎａｃｌ、塩化ナトリウム、化学塩、ＪＴの塩など）は、食品と呼ぶにはあまりにも不自然で人工的な製品でした。
塩化ナトリウムのほぼ単一の働きしか与えられず、それゆえに血圧をも上げるだけの効果しかもち得なかったのです。
（）内は、私的コメント
（私的コメント）食塩水は補給にはならない。ご飯や野菜、果物に振りかけて食べる。
ちょっと汗ばむ程度だと塩分２ｇ、ビタミンＣは４０ｍｇが失われる。
かなり激しい汗だと塩分は毎時５ｇ、ビタミンＣは１００ｍｇ失われる。
猛烈な労働などだと塩分は毎時７ｇ、ビタミンＣは１４０ｍｇが失われる。
茶さじにすれすれに盛った食塩は、おおよそ４ｇである。
食塩の補給は必ず、ご飯にごま塩、果物類、野菜類、或いは甘藷に振って食べること。
食塩水は、止血法、或いは下剤として利用され、下痢を誘発するに過ぎず、補給の目的に達しえない。（海水療法）
水分を摂っても血液がサラサラになりません。血液がドロドロという事で「ワーファリン」を処方されていますが、副作用報告事例では、他の薬と飲み合わせて重篤な副作用を生じることが多い。
元アメリカ高血圧学会会長のアルダーマン博士
減塩の結果、心臓血管疾患に利益をもたらすことはないことがわかった。
国立心臓・肺・血液研究所は３０年間、一生懸命減塩に取組んできた。
ある人で減塩すると、血圧は下がる。
しかし、大部分の人々では下がらない。
そして、僅かな人々では減塩が実際に血圧を上昇させる。
十分な塩分を摂らなければ、食塩欠乏症になり、血圧が低下して死ぬ。
例えば、激しい労働や運動をすれば発汗し、そのような人々には多くの塩が 必要である。
以下データが古いが
塩分摂取量と脳血管疾患（この疾患の一つに脳卒中もあるが患者調査の統計では分類されていない）との間には何の関係もない。
昭和５０年から６３年までの１４年間の胃がん死亡率と食塩摂取量との関係 食塩摂取量と胃がん死亡率には関係がない。 食塩摂取量が多くなっているに かかわらず、胃がん死亡率は下がっている地区がある。
食塩摂取量と胃がんとの関係に関する コーエンとロエの膨大な動物実験、
疫学調査の結果では、関係なしとの結論であった。
昔は塩分摂取量の多いほど寿命が短くなる傾向が示されているが、１９９０
年になると、むしろ逆に寿命が長くなる傾向が示されている。
アメリカでは食塩摂取量が少ないのに長寿国ではない。
塩分が不足すると
塩分を失うと神経炎を起こして、足の故障を生じ脚気となる。
血糖値が下がり、疲れが出、甘い物が欲しくなる
①感染症や食中毒にかかりやすくなる
②体が弱る、足首の故障を起こす
③水が飲めなくなる。（日に１．５～２ℓの水を飲む。食事中、食後３時間に
水を飲むと、胃液が薄まるので。）
逆に食塩を摂り過ぎると腎臓や肺に故障を起こし、神経痛やリウマチの原因となるので、２～３週間に１日だけ無塩日にすると良い。
塩分の摂り過ぎよりも、糖分の摂り過ぎ、汗をかく等による塩分不足が心配される。
血液の生理的食塩濃度、要するに塩漬け（血潮）の状態だから病気にならないのです。
爪や髪、体がシャキッとしているのも塩分のお陰です。
日本人の目が死んでいると言われるのも、塩分不足？