高校生に貸与の滋賀県奨学金、未返済が2億3千万円超に…専従職員を新設「粘り強く回収する」2024/03/06

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滋賀県庁© 読売新聞

 経済的に困窮する高校生に学費を貸与する滋賀県の奨学資金で、期限を迎えても返済されない収入未済額が、2022年度末で約2億3200万円に及ぶことが、県教育委員会の調べでわかった。未収金は近年増加傾向だったが、このまま膨らむと新たな貸与の原資が細るため、県は今年度から回収に力を入れている。

 県奨学資金は、国公立、私立の高校などに通う生徒で世帯の年収など条件を満たす場合、奨学金を毎月1万8000円~3万5000円を貸しつけるほか、入学金やパソコンなどの購入費の貸与もある。例年300人程度が利用する。

 卒業して半年後から返済が始まり、期限は最長10年だが、22年度末現在で939人分、約2億3200万円が未返済という。理由は病気や体調不良で収入が安定しない、失業など様々となっている。

 県教委は今年度から専従の職員を置き、自宅を訪問するなどして返済を促すほか、難しいケースは外部事業者に委託して債権回収を強化している。このため、23年度末の収入未済額は8年ぶりに数百万円の減少に転じる見込みだ。

 福永忠克・県教育長は「一人ひとりの事情に寄り添いつつ、粘り強く回収に努める」としている。

 

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