公立病院の看護師ら、8割が「辞めたい」 3割超がうつ症状訴え
2024.3.5
写真はイメージです=ゲッティ© 毎日新聞 提供
公立・公的病院で働く看護師や臨床検査技師、事務職員らのうち、8割近くが今の職場を辞めたいと考えていることが、5日に公表された自治労の調査で明らかになった。3割超がうつ症状を訴えているとした。
調査には、47都道府県の公立・公的病院に勤務する看護師ら10~60代以上の男女1万184人が回答。気分の落ち込みや寝られないなどの「うつ的症状がある」との回答は3590人で、前年度から9ポイント増の36%に上った。調査を始めた2020年度の17%と比較すると倍増した。
職場を辞めたいと「常に思う」と回答したのは1479人で、「しばしば思う」が2434人、「たまに思う」が4065人。合計で79%に達し、前年度を7ポイント上回った。
職種別では助産師▽看護師▽看護補助者――が多く、辞めたいと思う理由は業務が多忙▽人員不足▽賃金に不満――などが多かった。自由記述欄には「業務が多すぎて勤務時間内には終わらず辞めたい」との回答もあった。
自治労の平山春樹衛生医療局長は記者会見で「慢性的な人員不足解消のため、業務量に見合った人員確保が求められる。来年度の診療報酬改定による賃上げを公立・公的医療機関でも確実に実施する必要がある」と訴えた。【村田拓也】
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In Deep 2021年9月8日
医療従事者、うつ症状36% 人員不足と多忙、自治労
共同 2024/03/05
自治労は5日、新型コロナウイルスに対応する公立医療機関職員らの実態調査で、うつ症状があると答えた人が36%に上ったと明らかにした。
「現在の職場を辞めたいと思うか」との設問は「常に」「しばしば」「たまに」を合わせた回答が79%だった。
調査担当者は、コロナ対策が緩和されても医療現場の慢性的な人員不足と多忙は変わっていないとしている。
調査は昨年11月から今年1月、全国の看護師や臨床検査技師、事務職員ら約1万人を対象に実施。うつ症状があるとの回答は、昨年発表の調査から9ポイント増加した。
職場を辞めたいと思う人は7ポイント増え、理由は「業務が多忙」が最も多く、「人員不足」「賃金に不満」と続いた。
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