初の首相出席、政倫審で岸田首相が政治資金パーティーを開かないと明言!首相説明は変わらず 衆議院政治倫理審査会2024年2月29日

*衆議院 政治倫理審査会

2月29日に衆院政治倫理審査会(政倫審)が行われ、岸田文雄首相が現職の首相として初めて出席しました。岸田首相は自民党の政治資金パーティー問題を謝罪した上で、野田佳彦元首相(立憲民主党)の質問に答える形で「首相在任中は自身の政治資金パーティーを開くことはない」と明言。対策として政治資金規正法などの法改正について今国会での実現を目指す考えを表明するも、安倍派の還流が始まった経緯や具体的な内容に関しては今までの説明とほぼ同じで、新しい情報などが発表されることはありませんでした。

岸田首相も裏金問題の核心部分になると、「現在調査中」「ご指摘のような点については確認できなかった」というような答弁が目立ち、明日の政治倫理審査会に持ち越しとなった形です。明日の政治倫理審査会に関係者らが出席して説明を行う予定ですが、今後の状況によっては証人喚問のような強制力を持った審議に移行する可能性もあると思われます。

 首相「不記載議員、説明責任踏まえ党処分判断」 政倫審
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2938M0Z20C24A2000000/

岸田文雄首相(自民党総裁)は29日、衆院政治倫理審査会に出席した。党派閥の政治資金問題について「国民の皆さまに大きな疑念を招き、政治不信を引き起こしていることに総裁として心からおわびする」と陳謝した。

野党「何のための弁明か」 首相、還流の経緯説明できず 政倫審
https://news.yahoo.co.jp/articles/1986d4daca836872d9b5d062ed1963ee77eb5390

 岸田文雄首相(自民党総裁)は29日の衆院政治倫理審査会(政倫審)に現職首相として初めて出席した。首相は自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り陳謝し、政治資金規正法などの法改正について今国会での実現を目指す考えを表明。だが、安倍派(清和政策研究会)のパーティー券収入の還流がいつから始まったのかなど実態解明につながる説明には至らず、野党側は「何のための(首相による)弁明なのか」と批判した。

 

【政倫審】野田元総理が質疑「総理出席に強烈な違和感」「指導力に疑問」自民“裏金”めぐり (2024年2月29日)| TBS NEWS DIG (youtube.com)

 

岸田首相、裏金問題で政倫審に初出席 立憲・野田元首相らが質疑 (youtube.com)

 

立憲・泉健太をクビにして野田佳彦代表で衆院選へ…野党連合に浮上した「苦肉の秘策」

2024/02/29

立憲・泉健太をクビにして野田佳彦代表で衆院選へ…野党連合に浮上した「苦肉の秘策」

立憲・泉健太をクビにして野田佳彦代表で衆院選へ…野党連合に浮上した「苦肉の秘策」© アサ芸プラス

岸田文雄内閣と自民党の支持率が、低迷の一途を辿っている。2009年8月の衆院選で大敗し、下野した麻生太郎政権と似通っているにもかかわらず、自民党内では「岸田降ろし」が起きていない。その最大の要因は、野党第一党の支持率も低迷していることにある。

そこで野党内で囁かれているのが、立憲民主党の泉健太代表を降ろし、野田佳彦元総理にすげ替える「秘策」だという。

日本経済新聞社とテレビ東京が2月23日から25日に行った世論調査によると、立憲民主党の支持率は9%。日本維新の会(8%)と合わせても、自民党(25%)より8ポイント低い。2009年7月の民主党の支持率は40%で、自民党(30%)より10ポイントも高かった。

立憲民主党は2月の党大会で「次期衆院選で自民党を超える第一党になる」との活動計画をまとめた。泉代表は「自民党を政権から外し、新たな政権を発足させ、政治改革、子供若者支援、教育無償化などを実現しよう」と声を張り上げる。ところが、

「野党内で泉総理を誕生させようというという盛り上がりは、ほとんどない」(日本維新の会幹部)

そこで野党内をまとめる人材として浮上するのが、総理経験者であり、経験豊富な野田氏だ。

その野田氏は2月26日の衆院予算委員会で質問に立ち、当選同期(1993年)の岸田総理を次のように猛批判した。

「2022年に7回もパーティーを開き、売り上げが1億5510万円、利益は1億3609万円。私は金欠だったが、総理になったからといってパーティーをやろうとは思わなかった。異常だ」

「国民の疑念を招きかねない大規模なパーティー開催は自粛する」という大臣規範を破っている、との指摘である。岸田総理はこれに力なく反論した。

「総理就任以前から続けてきた勉強会であり、国民の疑惑を招きかねない、ということにはあたらない」

だが、いかんせん説得力に乏しく、野田氏の方が一枚上手との印象を与えてしまった。さる立憲民主党議員が強調する。

「野田さんならば、次の衆院選で自民党とも渡り合える」

もっとも、野田氏にはマイナスの要素もある。

「いまだに消費増税を自分の実績に挙げるなど、財務省べったりとしか言いようがない」(自民党閣僚経験者)

との印象が強いのだ。しかも総理大臣時代、安全保障問題の知識が乏しいにもかかわらず、田中真紀子元外相の夫・田中直紀氏を防衛相に起用して混乱を招くなど、人事下手で知られた。

野田氏で政権交代を訴えるには、あまりにも新鮮味がない。自民党同様、立憲側も深刻な人材難に直面している。

(奈良原徹/政治ジャーナリスト)