2024/01/11
「災害に便乗した悪質商法」に注意を呼び掛ける国民生活センターのウェブサイト© 毎日新聞 提供
能登半島地震に便乗した悪質商法に巻き込まれないよう、国民生活センターがホームページなどで注意を呼び掛けています。過去の地震や大雨の際にも被害の相談が寄せられました。どういった事例があったのかやどう対処すればよいかについて、担当者に聞きました。
◆能登半島地震の被災地からはどんな相談が寄せられていますか?
「知らない事業者が突然やって来て『地震で屋根瓦が曲がっていて危ない。修理する』と持ち掛けられた。本当に壊れているのか分からない。信用して大丈夫か」と、点検商法とみられる相談が寄せられています。
地震で屋根が壊れ、インターネットで見つけた事業者と契約したという人からは「多少の損壊にもかかわらず屋根を丸ごと交換できるくらいの金額を提示された」「保険会社に全額請求できるのか疑問だ。解約できないか」との相談がありました。契約金額は数百万円で、解約した場合の違約金は50%と書かれていたそうです。
スマートフォンに「耐震調査を承りました」とショートメッセージが届いたとの情報提供もありました。契約をした記憶がないのに「承りました」と書かれていたため、不審に思ったそうです。
◆過去には他にどんな手口がありましたか?
昨年5月に石川県珠洲市で震度6強の揺れを観測した地震では、自宅を訪問した事業者を名乗る人物から「震度6強の場合に損害保険からお見舞金(みまいきん)が出る」などと手書きのチラシを渡され、損害保険金請求の手続きをサポートすると勧誘された、との相談がありました。
地震の後、ブルーシートを約10万円と高額で訪問販売する事業者がいるといった情報も寄せられました。
他の災害では「火災保険を使って自己負担なく住宅の修理ができる」などと言って、修理を勧誘する手口が多いです。
◆どうすれば?
突然、訪問や勧誘をされてもその場では契約しないでください。自宅の修理工事などを契約する際は、複数の事業者から見積もりを取って比較、検討すべきですし、しつこく契約を迫る事業者には特に注意が必要です。
保険金の請求は加入者自身で行うことが基本です。手続きのサポートを頼むと工事代金の50%もの手数料を請求されることがありますし、うその理由で保険金を受け取ろうとしたとして、詐欺とみなされる可能性もあります。
保険金の請求で分からないことがあれば、加入先の保険会社や保険代理店に相談するとよいでしょう。
◆公的な相談窓口は?
消費者ホットライン188番(いやや!)に電話をかけると、最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センターなどを案内してくれます。
詐欺などの被害に遭った場合には、警察の全国共通短縮ダイヤル「♯9110」に相談してください。
工事関連であれば、公益財団法人の住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」(ナビダイヤルは0570・016・100)に相談するのも手です。【村上尊一】
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