能登半島地震に便乗して詐欺横行 ボランティアにまぎれ新興宗教勧誘も

2024/01/06

地割れした被災地(ロイター)

地割れした被災地(ロイター)© 東スポWEB

能登半島地震は5日で発生から4日が経過した。5日夕方時点で、石川県では死者92人、安否不明者242人。生存率が著しく下がるとされる72時間を超えたが、被害が大きかった石川県輪島市や珠洲市などで懸命の救助活動が続けられている。そんな中、不謹慎にも震災に便乗した詐欺とみられる行為が横行し始めた。

発生直後からデマ投稿が問題視されてきたSNSだが、ここに来て被災者を自称して義援金を募る怪しげな投稿が見られるようになってきた。また、震災の影響で電力供給が十分でないことを狙ってか、ネットオークションには1円のポータブル電源が複数出品されているが、その多くが送料未定で、実際に購入した人からは「高額な送料を要求された」と注意を呼びかける声も上がっている。

震災時には、こうした悪徳便乗詐欺が横行し、2011年の東日本大震災のときも多くの被害が報告された。特に顕著だったのは義援金詐欺で、もっともらしい団体職員を名乗って高齢者の自宅を訪問し、印鑑と通帳を奪う事案も発生した。

また、被災地では少しでも早く自宅を直したいという被災者の気持ちにつけ込んだリフォーム詐欺も多数発生したと、東日本大震災のボランティアとして現地入りした人は話す。

「壊れた自宅を直すために『前金をいただければ順番を繰り上げて対応する』と持ちかけ、そのまま前金を持ち逃げしたケースがありました。また、壊れた自宅に対し『保険の適用が決まった』として手数料の支払いを要求し、そのまま手数料を持ち逃げされたケースもありました」

このほかにも「無料で屋根の応急措置をする」と言ってブルーシートで屋根を覆ったあと、「無料なのは作業料で材料費は別だ」として高額なブルーシート代を請求された人もいたという。

被災地で横行するのは、何もこうした悪徳便乗詐欺ばかりではない。前出のボランティア経験者は怪しい勧誘も目にしたという。

「救助活動が落ち着いてくれば、被災者支援のボランティア募集が始まる。するとこのボランティアの中に新興宗教の信者とみられる人たちが紛れ込み、被災者の相談に乗るふりをして勧誘活動をするんです。勧誘は被災者だけでなく、ボランティアに来た人に対しても行われます。真面目な人が多いため、ハマってしまう人も一部いたようです」

石川県警はX(旧ツイッター)で「善意・被災地の方々を心配する気持ち、災害に対する不安に便乗した犯罪の発生が懸念される」と注意を呼び掛けているが、被災地以外の人も注意が必要だ。

関連するビデオ: 能登半島地震の被災地へ 広島県内で広がる部隊派遣や募金活動 (広島テレビ ニュース)

能登半島地震の被災地へ 広島県内で広がる部隊派遣や募金活動

 

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