「復興支援と万博は二者択一の関係ではない」吉村知事が強調

2024/01/04

日本国際博覧会協会の職員を前に、年頭のあいさつをする石毛博行事務総長=大阪市住之江区で2024年1月4日午前10時半、東久保逸夫撮影

日本国際博覧会協会の職員を前に、年頭のあいさつをする石毛博行事務総長=大阪市住之江区で2024年1月4日午前10時半、東久保逸夫撮影© 毎日新聞 提供

 正月休みが終わり、官公庁や企業などでは4日が2024年の仕事始めとなった。25年大阪・関西万博の開幕まで1年3カ月あまり。万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)の石毛博行事務総長は、協会が入る大阪府咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)で約80人の職員を前に年頭のあいさつをし、「今年は『万博の成功・実現の年』。ポスト・コロナの最初の万博を何としても成功に導かなければならない」と決意を述べた。

 23年は、海外パビリオンの建設遅れや会場建設費の上振れなどに批判が相次いだ。石毛氏はこうした点にも触れ、「万博の価値をより多くの人々に知ってもらい、実際に参加してもらうことが成功への第一歩だ」と語った。

 この日、大阪市内では関西の財界関係者らが集う「大阪新年互礼会」も開かれ、関西経済連合会の松本正義会長や吉村洋文知事、横山英幸市長ら約2000人が出席した。万博協会の副会長でもある松本氏は、万博について「七難に見舞われても、絶対に負けない決意で頑張りたい。25年4月13日に開幕できると楽観的な考えを持っている」と述べた。

 互礼会に先立ち、府庁で能登半島地震を受けた万博への対応を問われた吉村知事は、「復興支援と万博は二者択一の関係ではない。万博をやるから復興支援の費用が削減されるものではない」と強調、万博の縮小や延期を否定した。【東久保逸夫、宇都宮裕一】

 

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大阪吉村知事、能登半島地震関連し「万博中止」の声に「なんで万博と復興支援が二者択一なのか…」 2024/01/04

大阪府の吉村洋文知事(48)が4日、府庁で取材に応じた。吉村知事は3日、自身のX(旧ツイッター)に、1日に発生した能登半島地震の哀悼の意を投稿した。コメント欄には「大阪府民として何度も言います。能登復興の妨げになる万博は即刻中止すべきです」などの意見が飛び交った。

能登半島地震に関連して、建設費が膨らむ25年開催予定の大阪・関西万博の中止を求める声があることについて吉村知事は「ネットで一部、意見が出ている」と認識した上で、「被災地の復興支援は国をあげて、自治体も協力して全力で行うのが当然だと思う。それに基づいて、法制度、さまざまな制度が整備されている。自治体も全力を挙げて協力している」と述べ、「万博と復興支援が二者択一の関係ではない。なんで万博と復興支援が二者択一なのか、よくわからない」と語気を強めた。

さらに「国も全力をあげているし、近隣自治体も全力をあげている。万博と比較されたり、万博と二者択一になるものではない」と繰り返し強調した。

その後、吉村知事は関西の政財界関係者が集まる大阪新年互礼会に出席し、今年の抱負を「安」の漢字で表現した。漢字に込めた思いについて「万博の準備として極めて重要な1年になる。コスト面について、これ以上、あがることがないようにすばらしい万博を大阪で実現したい」と説明した。

大阪市の横山英幸市長は「克」と色紙にしたためた。

大阪新年互礼会に出席した大阪府吉村洋文知事(撮影・松浦隆司)

大阪新年互礼会に出席した大阪府吉村洋文知事(撮影・松浦隆司)© 日刊スポーツ新聞社

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