新型コロナワクチン接種後症候群”を病気として解明目指す 医師中心の研究会が発足【大石が聞く】2023.10.8

“新型コロナワクチン接種後症候群”を病気として解明目指す 医師中心の研究会が発足【大石が聞く】© CBCテレビ

休日の名古屋駅。大勢の人が行き交う中、街頭に立つ女性。

いまも足下はおぼつかず、前よりも少しやせていました。

名古屋市内に住む、曽我奈緒美さん。

ワクチン接種後の副反応について訴えます。

(曽我奈緒美さん)

「私はまだ診断名が付いたので治療も受けられたし、リハビリも受けられたので、ここまで回復することができました。それでもなお日常生活を送れるには、まだまだ遠い道のりです」

曽我さんに初めて会ったのは2023年1月。

新型コロナワクチンを接種後、長期にわたる体調不良に悩まされていました。

医師の診断は、「ギラン・バレー症候群」。

免疫が自分の神経を攻撃し、手足に力が入りづらくなる自己免疫疾患です。

2年以上経ったいまも、長時間は立っていられません。

(大石邦彦アンカーマン)

「きょうは名古屋駅という場所ですけど、ここまではどうやって来られたんですか」

(曽我奈緒美さん)

「きょうは娘が車で送ってくれたので助かったんですけど、人を避けてとか、急に立ち止まるとぐらつくので、あまり一人では公共交通機関は使えていないですね」

「ワクチン接種後の体調不良に苦しむ人はあまりに知られていない」

この現状を知ってもらいたいと、体調不良の中、街頭に立ちました。

(曽我奈緒美さん)

「少しでも多くの方に知っていただきたく、ここに立っています。

中には、診断名も付かず、苦しんで寝たきりの人がたくさんいます。

それでもあまりにも知られておらず、国も認めず、いまだにワクチンを推奨しているので疑問を感じ、少しでも伝わるようにここに立っています」

しかし、足を止める人、耳を傾ける人は、ほとんどいません。

(曽我奈緒美さん)

「通り過ぎているってことは、日常に戻っていて、ワクチンに苦しんでいないということ。いいことではあると思うんですけども、ただ…ちょっと知ってほしいかなっていう気持ち」

ワクチンの副反応について、街で聞いてみると…

(街の人)

「接種後、熱が出たとか、そういったことは聞きますが、そこまで深刻な方っていうのは、私の周りにはいなかったので、初めて知りました」

(大石アンカーマン)

「国全体でワクチンの副反応が問題になっているかというと、そうでもないんですが、その辺の感覚は」

(街の人)

「(ワクチン後遺症の患者に)対してサポートなど手厚い何かや、きちっと窓口が機能しているのかとか、確かにニュースなどを見ていて、そういう方たちの何かっていうのは、あまり耳にすることが少ないので…」

有志の医師らがワクチン後遺症の原因と治療法を究明する研究会を立ち上げ

一方、接種後の体調不良に医療費を補助する救済認定は遅れていて、原因究明や治療法の開発に至ってはほとんど進んでいません。

こうした中、9月7日、厚生労働省では。

(京都大学 福島雅典 名誉教授)

「これだけ広範な被害が広がっている、その事実。医師が日常診療において留意すべき事実がきちっと伝えられない。国民のみなさんが知っておくべき事実が伝えられない。おかしいんじゃないですか」

新型コロナワクチンの安全性に懸念を表明する、大学の名誉教授らと有志の医師の会が、ワクチン後遺症の原因と治療法を究明する研究機関を立ち上げたのです。

代表を務めるのは京都大学名誉教授の福島雅典 医師。

関連するビデオ: 新型コロナワクチン「秋接種」開始 変異株“エリス”にも効果 (テレ朝news)

新型コロナワクチン「秋接種」開始 変異株“エリス”にも効果

国は副反応問題に向き合っていないと批判します。

(京都大学 福島雅典 名誉教授)

「副反応疑い報告。死亡者2076件、重篤者8638件。副反応疑い3万6457件」

「何をしないといけないか、単純です。診断基準を作成して、検査法を確立して、このワクチン接種後症候群の実態を明らかにする。

患者が憲法に保障される、いつどこでも最高水準の医療を受けられるようにする。それがこの国の医療に関する国是なんですよ」

接種後の様々な体調不良を、「ワクチン接種後症候群」というあらたな病気として位置づけ、診断基準や治療法の確立を目指します。

最大の主張は、ワクチンそのものが体調不良の元凶だということです。

新型コロナワクチンの仕組みと医師らの研究会の仮説

ワクチンで注射する物は、ウイルスの表面にあるトゲ「スパイクタンパク」の遺伝情報、メッセンジャーRNAです。これが体内に入ると、人自身の細胞が、ウイルスのスパイクタンパクを作り、それが、細胞の表面に出てきたところを免疫システムが見つけて、抗体ができる仕組みです。

しかし、スパイクタンパクが表面に出た細胞もウイルスと間違われて破壊されるため、体中に不具合が出るというのです。

さらに、スパイクタンパクそのものに毒性があるという仮説も立てています。

このことに関する論分は世界中で発表されていて、メンバーらも仕組みの解明を目指しています。

「政府は、リスクよりベネフィットが勝るという現実のデータを示すべき」

(大阪市立大学 村上正康 名誉教授)

「(日本での)学会報告は、すでに何百本もこの2年間で出ております。ですから、そういう学術的に客観的なデータを一般の方に分かるような形で出していく。これがこの研究会の一つの重要なミッション」

(東京理科大学 村上康文 名誉教授)

「初めから薬害が発生することは必然だったと思う。おそらくメッセンジャーRNA型ワクチンが(今後)いろいろ現れると思いますが、しっかりここでやっておかないと、同じ薬害が連続して発生してしまいますので、どういう仕組みでどう発症するか、どういう現象が起きているのかを解明したい」

厚生労働省の玄関脇に立つ「誓いの碑」。過去に繰り返された薬害事件を二度と起こすまいという国の反省の証です。

(京都大学 福島雅典 名誉教授)

「日本は薬害を根絶できるように、法律も整備したし制度も作った。それを行政が適用しない。怠慢ですよ」

「副作用のない薬はないんです。漢方薬でもどんなサプリでも副作用はありうる。政府はリスクが効果よりも少ないんだと、効果が勝りますと言ってきたんだから、現実のデータを示さないといけない」

9月20日から始まる新たな変異型向けのワクチン接種。その一方で医師たちにより安全性についての根本的な研究が始まっています。

2023年9月14日放送 CBCテレビ「チャント!」より