マイナンバーカード交付に大幅な遅れ 山形市など駆け込み申請の影響で

2023.5.29

マイナンバーカード交付に大幅な遅れ 山形市など駆け込み申請の影響で

マイナンバーカード交付に大幅な遅れ 山形市など駆け込み申請の影響で© YBC山形放送

全国の自治体の一部でマイナンバーカードの交付に大幅な遅れが出ている。2月に「マイナポイント」をもらう駆け込み申請が集中し、自治体の交付作業が追いつかないためで、最大で3か月経ってもカードが手に入らない状態となっている。

国が普及を進めている「マイナンバーカード」は、ことし2月中に申請をすると、最大で2万円分の「マイナポイント」を取得できる。

山形市役所には2月末、ポイントを取得しようと多くの市民が申請に詰めかけた。全国の自治体でも申請が殺到し、国は急きょ、申請の期限を3月1日まで延長した。

マイナンバーカードを受け取るまでの流れはこうだ。まず、郵送かオンラインで申請を行う。申請後、国が内容を審査してカードを発行し、各自治体へと送付する。カードを受け取った各自治体は、「交付通知書」を順次申請者に郵送する。交付通知書を受け取った申請者は各自治体の窓口でカードが受けとる。総務省はホームページなどで通常、カードの申請から交付までは1か月ほどかかると説明している。

しかし、2月から3月1日にかけて全国各地で申請が殺到した影響で、国から自治体へのマイナンバーカードの発送や、各自治体内部の事務作業に遅れが出ている。

このうち山形市では2月1か月間におよそ2万件の交付申請が集中した。月別の申請件数は正確には把握していないとしているが通常を大きく上回る申請が殺到したという。このため、国から市役所にカードが届いたものの申請者への「交付通知書」の郵送作業に遅れが出ている。2月下旬から3月1日にかけて申請した人にはほぼ3か月経った今も交付通知書が届かず、カードを受け取れないため、コンビニエンスストアでの証明書交付などマイナカード独自のサービスを受けることができない。市は「2月中に申請した人には、今週末には通知書の郵送が完了する」としている。

県内ではこのほか酒田市や新庄市などでもカードの申請から交付まで最大2か月近く遅れが生じたが、現在はほぼ解消したとしている。

一方、国はマイナポイントを電子マネーに還元できる申請期限を5月末までから9月末までに延長している。山形市は「3月1日までにカードを申請をした人には、9月末までに決済を申し込めば予定通りマイナポイントが付与される」としている。

なお、県によると、全国的に問題となっているマイナンバーカードに登録された公金受取口座などの情報がほかのカードに紐づけられたトラブルは、今のところ県内では確認されていないという。