レジ変更だけで数十万円負担…軽減税率で8万店が消失する

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20151219

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シャッター商店街がまた増える?(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 コンビニやスーパー、百貨店など小売り各社は軽減税率にどう対処するか、頭を抱えている。「税率8%と10%の混在で、レジのシステム変更を迫られるし、場合によってはレジそのものを入れ替える必要が出てくるでしょう。POS(販売時点情報管理システム)レジ1台で数十万円の費用が発生するかもしれません。経営の圧迫要因です」(スーパー関係者)  消費税が8%から10%に引き上げられるのは、約1年3カ月後の17年4月だ。「軽減税率ばかりが話題になっていますが、実際は消費増税です。過去の例で明らかなように個人消費は落ち込むことになります。税率が5%から8%に高まった14年4月の悪夢が蘇ります」(百貨店関係者)  消費総合指数(内閣府)は14年4月に前月比マイナス8.6%と極端に落ち込んだ。通常は1%以内で動く数値だけに、消費低迷の深刻さが浮き彫りになった。百貨店の売上高は前年同月比で10%減と散々だった。東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏がいう。「増税から半年過ぎたころから、小売業の倒産件数は増えました。今回は、消費税率が10%へ引き上げられるだけでなく、軽減税率の適用もあるので、レジなどのシステム費用負担が増加しかねません。中小・零細の小売業の経営を直撃する恐れは高まっています

 経産省の商業統計(14年)によると、日本の小売業の事業所数は約78万だ。百貨店や総合スーパーは全体の0.2%に過ぎず、コンビニを含む「その他の飲食料品小売業」は13.7%。地方で懸命に営業を続ける個人商店は多いが、軽減税率に伴うレジ変更の費用をひねり出せるかどうか。「マイナンバー導入でIT系の人材は大忙しです。増税に伴うシステム変更に回せる人材は少なく、その分、レジ対応の費用は高騰するでしょう。小売店の負担は予想以上に重たくなる。全国78万のうち、1割程度が深刻な打撃を受けてもおかしくないと思っています」(友田信男氏)

 その数、約8万だ。夜逃げ、廃業、倒産……。今年11月まで倒産件数は8カ月連続で前年同月を下回ったが、円安倒産、チャイナリスク倒産などは増加傾向にある。そこに“軽減税率倒産”が加われば、アベノミクスなど簡単にふっ飛ぶ。