子育て給付金廃止を押し切り 稲田政調会長は官邸のパシリ

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20151220

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選挙目当ての愚策を押し切った稲田朋美政調会長(C)日刊ゲンダイ

 早速、子育て世帯から批判殺到だ。子ども1人当たり3000円の「子育て給付金」を廃止し、低所得の年金受給者には3万円のバラマキ――。選挙目当ての愚策への合意を与党内で押し切ったのは、2人の子を持つ母でもある稲田朋美政調会長(56)だ。

 子育て給付金の廃止の理由は軽減税率の安定財源確保がタテマエ。公明党の肝いり事業で廃止を渋っていたが、稲田氏は政調会長協議で「軽減税率が決まったから」とにべもなく突っぱねた。

 公明党関係者は「軽減税率のシッペ返しだ」とこぼしたらしいが、稲田氏自身のメンツを守るためでもあるのか、実にバカげた党利党略で給付金を打ち切られる親たちはタマらない。

 さらに驚くのは、17日の自民党の合同部会で、高齢者3万円給付の了承を取り付けるため、稲田氏が発した言葉だ。若手議員からバラマキ批判が続出する中、「首相の指示で組まれた予算だ。了承してほしい」と言ってのけた。

「党幹部として、首相の肩書を持ち出さなければ党内をまとめきれないのも情けないし、政調会長といえば政策立案の最高責任者のはず。『政高党低』と揶揄される中、政策立案を放棄した“官邸のパシリ”のような人が要職を務めていれば、自民党の存在意義は薄れるばかり。本人は安倍首相の言いなりになればポストが転がり込んでくるという考えかも知れませんが、その程度の理念なき政治家が“女性初の総理の最有力候補”と持ち上げられているのですから、政界の人材払底は深刻です」(政治評論家・山口朝雄氏)

 度重なるコスプレといい、このセンスのなさは致命的である。