マイナスだらけ…経済指標が軒並み示す「アベノミクス崩壊」

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20151113

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年越し派遣村の再来もありそうだ(C)日刊ゲンダイ

 景気悪化を示す経済指標が続々と出始めている。12日、内閣府が発表した機械受注統計は前期比10.0%減と5四半期ぶりのマイナスに転じた。ギョッとするのは下げ幅の大きさだ。リーマン・ショック後の09年1~3月期(11.4%)以来のマイナス率となった。

 

 経済評論家の斎藤満氏がこう言う。

 

「今回の発表により、民間の設備投資が極めて悪化していることが裏付けられました。内閣府は8月時点では0.3%増と予想していたのに、フタを開けたら結果は大幅なマイナス。企業収益は最高水準といわれていますが、あくまで円安効果による一過性のものだから、利益を設備投資に回すことができないのです。中国経済が減速し国際環境は3カ月前から激変しました。次回はもっと数字が落ち込むかもしれません。今年7~9月期のGDPもマイナスが濃厚視されています」

12日、日銀が発表した10月の国内企業物価指数も前年同月比3.8%下落。企業間取引の値動きを示すものだが、需要が減退していることが背景にある。9月の景気動向指数も前月より0.3ポイント低い111.9になり、3カ月連続で低下した。

 

 GDPの概ねを占める個人消費の悪さも、経済指標で次々と浮き彫りとなっている。先月30日に総務省が発表した9月の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は実質前年比で0.4%減。総務省は消費の基調判断を「このところ持ち直している」から「横ばいの状況が見られる」に下方修正した。

 

 個人消費が伸びない理由ははっきりしている。所得が増えないからだ。今夏のボーナス1人当たりの平均額は前年より2.8%減った。減るのは2年ぶりだが、減少幅はリーマン・ショック翌年の09年(9.8%減)以来の大きさとなった。

「中国経済の下振れを警戒している企業が一斉に守りに入っているから、設備投資はますます弱まり、景気はどんどん悪くなるでしょう。政府がいくら賃上げ要請したところでムダです」(斎藤満氏)

 

 巨大破綻がないにもかかわらず、設備投資も夏のボーナスもリーマン直後に匹敵するような落ち込み方をしている。

 

 この状況下で何か“ショック”が起きたら――考えるだけでゾッとする。