強行採決に世論の怒り 安倍政権に再び囁かれ始めた「解散説」

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2015922

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国民の怒りは沸騰している(C)日刊ゲンダイ

 日を追うごとに凄みを増した国民の怒りのデモは、安保法案が成立し、雲散霧消してしまうのか。安倍官邸は「国民はそのうち忘れる」とタカをくくっているらしいが、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、「今回は違う」とこう続ける。

 

「憲法学者や日弁連は法案成立前から成立後の動きを見据えて動いていました。安保法制については違憲訴訟を起こし、月1回のペースで裁判の様子を情報公開し、来年の参院選に向けて運動を引っ張っていく。安保法案の反対運動は倒閣運動に形を変えたのです」

 

 学生団体「シールズ」も、連携するグループが北海道から九州まで全国に広がり、参院選を射程に運動を続ける。来夏に向け、安倍首相は確実に追い詰められていく。

 

 そこでささやかれ始めたのが早期解散説だ。野党幹部がこう話す。

 

「安倍首相が12月解散に踏み切る可能性を警戒しています。民主や維新による野党共闘が年末には動き出す。それをツブすため、準備が整う前に解散を仕掛けてくるのではないか」

 前出の鈴木哲夫氏は、来夏の参院選がダブル選挙になる可能性があると言う。

 

「安倍首相が憲法改正を諦めていないとすれば、自公と橋下新党を合わせ、参院で是が非でも3分の2を確保したい。しかし、支持率下落の現状では、議席減は必至です。衆参ダブルならば、常識的に与党に有利に働く。『改憲の是非を問う』という大義で、安倍首相が解散するかもしれません」

 

 伝家の宝刀は首相の専権事項だけに勝てるタイミングを狙うのは間違いない。だが、国民の怒りは安倍官邸の想像以上だ。早期解散が吉と出るとは限らない。