トルコの海岸に横たわる子どもの遺体が話題だが、その子どもはクルド系で、ISやトルコ軍から攻撃 

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2015.09.09

 トルコの海岸に横たわる3歳の子どもの遺体を撮した写真をメディアが流している。アメリカをはじめとする西側の国々、イスラエル、ペルシャ湾岸の産油国などが中東や北アフリカの国々を破壊してきたひとつの結果。その子どもはクルド系ということなので、トルコ軍やIS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISISやダーイシュとも表記)の攻撃を受けたと考えられる。

 

Syria-Kurds

 

 しかし、今回の報道に疑問を持つ人も少なくない。西側の有力メディアが報道しているということ自体、胡散臭いということだ。ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナなどアメリカの支配層が戦争を仕掛けた地域の状況を西側はまともに伝えず、プロパガンダに徹してきたからだ。

 

 シリアに限っても、20113月に戦争が始まった原因として西側メディアが伝えた内容は嘘だった。この月に反政府行動があったことは事実だが、シリア駐在フランス大使だったエリック・シュバリエによると、バシャール・アル・アサド政権が暴力的に参加者を弾圧しているとするアル・ジャジーラやフランス24などの報道は間違い、あるいは嘘。同国外務省の調査団が調べたところ、実際は限られた抗議活動があっただけで、すぐに平穏な状況になったことが判明したのだ。

 

 この報告を読んで怒ったのがアラン・ジュッペ外相。EUへの加盟支援を餌にトルコをリビアやシリアに対する軍事作戦へ引き込んだのはこのジュッペで、シリアとイラクにクルド国を作るというプランを持っていたという。ジュッペは調査団の報告を無視、シリアのフランス大使館へ電話して「流血の弾圧」があったと報告するように命じた。

 

 その後も市民虐殺や化学兵器の使用といった嘘を西側メディアが流してきたことは本ブログで何度も書いてきた。その西側メディアが難民問題を取り上げ、水死した子どもの写真を掲載している。突然、彼らが改心したとは思えない。この問題を戦争拡大、シリア侵略の口実にしようと目論んでいると見る人もいる。波に対して垂直な形で子どもの遺体が横たわっているのも不自然だと主張する声も聞こえてくる。何者かがそこへ遺体を置いたのではないかというのだ。

 

 ウクライナにおける嘘のひとつがロシア軍の介入。クリミアが軍事侵攻されたと西側メディアは大々的に宣伝していたが、1997年にウクライナと結んだ条約に基づいてロシアが駐留させていた16000名の部隊を侵略軍だと主張していたことがすぐ発覚している。クリミアのセバストポリは黒海艦隊の拠点で、基地の使用と25000名までの駐留がロシア軍に認められていた。

 

 これ以外にも西側メディアは「ロシア軍の侵攻」を伝えていたが、根拠を示さなかったり、示した「証拠」が嘘だったりしている。もしロシア軍が本当に介入していたなら、南オセチアのケースのように、キエフ軍は蹴散らされていたはずだ。ウクライナ情勢を少しでも自分で調べたなら、西側メディアの嘘はわかるはず。勿論、存在しない軍隊が撤退することもありえない。