沖縄、福岡に次ぎ3番目 “漏れた年金”栃木県「大量流出」の謎

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2015614

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漏れた年金コンビの塩崎厚労相(左)と安倍首相(C)日刊ゲンダイ

 「漏れた年金」問題で、基礎年金番号、氏名、生年月日、住所の4種類の情報が流出した1万5302人の内訳がわかった。都道府県によって、被害に遭った人数にかなりの開きがある。ところが、数字の背景について、厚労省や日本年金機構は明らかにせず、国民の不安は増すばかりだ。

 約1万5000人の4情報が流出したが、それは42都道府県に及ぶ。一番多かったのは沖縄で、受給者と被保険者を合わせ6813人。次いで多かったのは、福岡県の5836人。3番目は栃木県の2204人だった。この3県だけで全体の約97%を占める。東京の40人や大阪の20人などと比べると、3県だけが突出した数字だ。

 沖縄と福岡については、最初にウイルス感染したパソコンが、福岡市の九州ブロック本部のものだったことから、一応理解できるが、不可解なのは栃木県の数字である。しかも、情報はいずれも、那覇市の沖縄事務センターが保有していたものだというから、わけがわからない。

機構は数字を明かすだけで「詳細については申し上げられない」(経営企画広報室)。また、厚労省年金局に何度問い合わせても、「担当者が不在」として説明を得られなかった。

「なぜ、栃木県が多いのか、説明がつかない。謎なんです。厚労省と年金機構は説明責任を全く果たしていません。しかも、厚生労働委員会では年金そっちのけで、労働者派遣法改正案を強行採決しようとした。本来なら年金問題を真っ先に解決しなければいけないんです」(民主党関係者)

 

■沖縄県には大量の問い合わせが

 全体の情報流出は125万件だが、その半数以上の約74万件を占める沖縄県は、軽い“パニック状態”に陥っている。

 11日までに、沖縄県民からの問い合わせ(事務センターへの来訪、電話)は4000件を突破。399人の情報流出が確認された。事務センターには、毎日200件以上もの問い合わせがあり対応に追われている。「情報が漏れているかどうかを確認する人が多い」(那覇年金事務所)という。

 沖縄県内の年金加入者と受給者は約118万人で、その約6割の情報が流出しているのだから無理もないだろう。

  国民が知りたいのは、どんな情報がどんな経緯で、どれだけ流出したのかということだ。年金機構と厚労省が最小限の情報だけ出して、逃げ切りたいと考えているとしたら、そうは問屋が卸さない。