震災から4年 3人に1人「健康状態悪化」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150307/k10010006861000.html

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東日本大震災の発生から4年になるのを前に、NHKが大学と共同で、岩手、宮城、福島の被災者1万人余りにアンケート調査を行ったところ、仮設住宅での避難生活の長期化などによって、3人に1人が、震災前の持病が悪化したり新たな病気にかかったりしていることが分かりました。

NHKは、早稲田大学と共同で、ことし1月から先月にかけて、岩手、宮城、福島の仮設住宅などで暮らしているおよそ5万5000人を対象にアンケート調査を行い1万人余りから回答を得ました。

質問項目は、住まいや仕事の状況など100近くあり、このうち、健康状態について聞いたところ、震災前の持病が悪化したと答えた人は35.4%、震災後に新たな病気にかかったと答えた人は32.4%と、いずれも3人に1人が、健康状態が悪化していることが分かりました。

新たにかかった病気については、高血圧が25%と最も多く、高脂血症が12.9%、精神疾患が10.7%、糖尿病が10.4%など、運動不足やストレスなどを原因とする疾患が上位を占めていました。

また、運動の頻度については、「ほとんどしない」と回答した人が43.9%を占めたほか、アルコールを飲む頻度は、「毎日飲む」、「週に5日から6日飲む」を合わせると、4人に1人に当たる26.4%に上りました。

岩手、宮城、福島の3県では、今もおよそ8万3000人がプレハブの仮設住宅での避難生活を余儀なくされています。

NHKと共同で調査を行った早稲田大学災害復興医療人類学研究所の辻内琢也所長は「仮設住宅での生活は買い物に行くにも交通の便も悪いため、食生活の悪化や運動不足などによって病気が増えるのではないか。震災発生から4年がたつが、訪問医療の充実に加えて、野菜などの食料品の訪問販売などのサポートを充実させることが必要だ」と話しています。