安倍首相 “神の水”に続き「ガリガリ君」まで事務所費に計上

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2015120

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ランチやおやつと思われる領収書が…/(C)日刊ゲンダイ

 安倍首相が政治資金で個人的に愛飲する“神の水”を購入していた──。本紙は先週、首相の資金管理団体「晋和会」のデタラメ支出を報じたが、怪しい出費はまだまだある。1万円以下の支出に関わる「少額領収書」を開示請求したところ、事務所スタッフの「ランチ代」や「おやつ代」と思われる領収書がワンサと出てきた。

〈赤城ガリガリ君コーンポタージュ×2 ¥252〉

 12年9月5日に「セブンイレブン衆議院第一議員会館店」が発行した領収書にはハッキリとそう印字されている(写真(A))。時刻は12時44分。ランチタイムに一緒に買った「ユンケル」を飲んだ後、首相本人か事務所関係者がガリガリとかじりついたのか。“国民の浄財”を元手にイイ気なものだ。

 この領収書は晋和会が12年分の収支報告書の「少額領収書」として保存していたもの。ガリガリ君の購入費は「事務所費」に計上していたが、1万円未満の支出はわざわざ開示請求しなければ国民の目に触れることはない。晋和会の少額領収書はデタラメだらけだ。 12年分の事務所費には12月2日に東京・渋谷のラーメン店「油そば東京油組綜本店」への支出を計上。領収書(写真(B))の金額は、油そば1人前に「スペシャルトッピングA(ねぎゴマに半熟たまご)」を追加した料金(増税前)と一致する。

 同年分の5月11日の領収書(写真(C))はもっとフザけている。蕎麦居酒屋「土風炉 西新宿一丁目店」が〈1名〉に〈ピリ辛野菜と蒸し鶏そば850円 大盛200円〉を午後1時57分に提供したと記されている。

 晋和会の主たる事務所の所在地は議員会館内だ。場所から考えて来客用ではないだろうし、そもそも両店とも出前は行っていない。スタッフ1人が外出先で平らげた昼飯代を「事務所費」に充てたとみるのが妥当だ。

 不可解な領収書はそれだけじゃない。1人前のコンビニ弁当やヨーグルト1個、議員会館内の「タリーズ」で1人前のパスタとデザートアイス……と一般企業では絶対に経費として認められない出費が、事務所費としてゾロゾロと処理されている。

「本来、政治団体の『事務所費』と言えるのは家賃、電話代、清掃代、切手購入費、修繕費、火災保険料に類する支出まで。来客用の菓子やコーヒー代がギリギリセーフでしょう。事務所スタッフのランチ代やおやつ代はスタッフ本人や雇っている政治家がポケットマネーで払うべき。安倍事務所の金銭感覚はあまりに非常識です」(政治資金に詳しい神戸学院大大学院教授の上脇博之氏)

 晋和会は一連のデタラメ支出を事務所費の「その他の支出」に計上。10~12年分の収支報告書によると、3年間の総額は306万7034円に上る。この件で安倍事務所に質問状を送っても現時点で未回答のままだ。

「いかなる理由で非常識な支出を事務所費に計上したのか。安倍首相は説明責任を果たすべきです」(上脇博之氏)

 安倍事務所はあらぬ疑いを晴らすためにも、誠意ある対応を示してほしい。