原発日誌(352)原発被ばく労働者問題 

http://ameblo.jp/masaya1015/entry-11978538703.html

2015-01-18 07:35:58

   《元作業員「徹底調査を」》

東京電力福島第一原発の緊急作業をした作業員について、被ばくの研究への影響を調べる国の疫学的な研究が近く始まる。難しい調査となるのは必至で、どこまで解明できるかは未知数だ。そんな中、事故発生当所、福島第一で四ヵ月間作業し、その後、胃や大腸など三ヵ所でがんが見つかった札幌市の男性(五六)は、被ばくが原因だとして労災として認めるよう訴えている。 (片山夏子)

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    【高線量】

男性が働き始めた二〇一一年七月は、溶け落ちた核燃料を安定的に冷却できるようになったころ。無数のがれきが散らばり、建屋からは水蒸気が上っていた、「とんでもない所に来た」と恐怖を感じたという。

重機オペレーターの経験を買われ、大型トラックに載せた鉛の箱の中でモニターを見ながら、無人重機を遠隔操作してがれきを除去するのが仕事だった。

しかし、がれきの下には配管やバルブなどがあり、慎重な作業が要求された。側溝に鋼材を渡した仮設の土台に重機を載せ、それを遠隔操作するのは至難の業だった。

現場を見ながら直接操作しないと無理なケースもあり、、その際は鉛のベストを着て重機に乗り、三十分交代で作業した。重機でつかめない小さながれきは、腹で支えるようにして手で持って運んだ。

がれきの中には赤で「×100」 「×200」 などと書かれたものもあった。毎時一〇〇㍉シーベルトや二〇〇㍉シーベルトを発する高線量がれきの印だった。男性は「やべえなぁと思ったが、元受社員もやっていた。やらないわけにはいかなかった」


    【3ヵ所がん 労災訴え】

当時は空間線量も高く、線量計の警報が鳴りっぱなしに。これではすぐに線量限度に達し、作業ができなくなるため、高線量の時は線量計をトラックにおいていかざるを得なかった。男性が働いた同年十月末までの四ヵ月間の被ばく線量は、記録上は五六・四一㍉シーベルト。だが「実際はこんなものではない」。

一二年春に血尿が出たため診察を受けると、膀胱がん。その一年後、東電の負担でがん検診を受けたら、大腸と胃がんが見つかった。東電や厚生労働省の窓口に相談したが、「因果関係がわからない」とたらい回しにされたという。

転移でなく三ヵ所もがんが見つかったのは、被ばくが原因として、男性は十三年八月に労災を申請。一方で胃とぼうこうを全部摘出し、大腸がんも切除。重度障害者の認定を受けた。

男性は「国や東電は検査を受けろと言うが、労災が認められなければ治療は自費。命懸けで作業したのに使い捨てだ。働きたくても働けない。個人では因果関係を立証できない。国は調査をするなら徹底的にしてほしい」と語った。


     【2万人】

国が実施する疫学的な研究は、十一年十二月十六日までの間に福島第一で緊急作業した約二万人の作業員が対象となる。原爆被害を研究してきた公益財団法人「放射線影響研究所」(広島市)が担当する。近く福島県で二千人の作業員らを先行調査し、新年度から本格的にスタートする。

長期にわたって作業員の被ばく線量とがんなどの病気を調査。血液なども保存する。事故後の被ばく線量が一〇〇㍉シーベルト超の百七十三人は染色体も検査する。

研究所の大久保利晃理事長は「初期は特に被ばく線量も正確にはわからない。作業の詳しい聞き取りをする必要がある」と話す。作業員らは、研究が一〇〇㍉シーベルト以下の被ばくや一般住民にも役立つよう期待する。大久保氏は「それが目標だが、線量が少ない場合、因果関係の解明は難しい。研究は何十年もかかる。被ばく研究が進むよう結果は公開していきたい」と話した。

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がんなどを含む、この原発被ばく労働者の健康被害問題は年々増え続ける傾向と私は思っています。

また、原発労働者の多くは生活も保証がされない賃金ピンハネの多重下請けでの作業であり、記事にあるように、被ばくで健康が損なわれても労災までたどりつくのは容易ではないのです。しかも、先だっての政府の公表では福島第一の作業員の被ばく線量は250㍉シーベルトに上げられています。手で持って移動しなければならない汚染がれき。あなたはどのように思いますか・・

そして、これらの健康影響を調査・研究する「放射線影響研究所(放影研)」とはどのような公益財団なのかは紛れもなく被ばく者をモルモット(実験)として扱う団体だということを覚えておいて欲しいと思います。

これらは、原発で働いていた私にとっても、少なからず係わることなので、今日(1月18日付け)の核心の全文を掲載させていただいたものです。関心のある方はどなたでも書き込めますので、是非、コメントをいただきたいと思います。尚、記事と無関係なコメントは削除させていただきます。


2015・1・18 船橋市 自宅より

文責・執筆・ブログ管理:弓場清孝(実名)