「原発健康被害」の揉み消しに加担する「朝日新聞」の“非科学”記事 ~誰も書けなかった福島原発事故の健康被害 【第4 後編】~

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150117-00010000-takaraj-soci

宝島 117()1150分配信

「記事取り消し」や「社長引責辞任」の不祥事で揺れる朝日新聞社。新社長の就任で、膿は出し尽くされたのか。そこで同社の「原発事故」報道を検証したところ、続々と問題記事が見つかった。真っ先に取り消されるべきは、こちらの記事ではないのか?

. http://www.nirs.go.jp/data/pdf/hayamizu/j/20130502.pdf

http://www.nirs.go.jp/information/event/report/2013/0729.shtml

https://pbs.twimg.com/media/BP7wLDiCYAA8-jn.jpg

「原発健康被害」の揉み消しに加担する「朝日新聞」の“非科学”記事 ~誰も書けなかった福島原発事故の健康被害 【第4 後編】~

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「原発健康被害」の揉み消しに加担する「朝日新聞」の“非科学”記事 ~誰も書けなかった福島原発事故の健康被害 【第4 後編】~

「放射線被ばくの早見図」改訂箇所

記事を信じた読者は救われない?

 福島第一原発事故発生から間もない11424日付『朝日新聞』朝刊の「ニュースがわからん! ワイド」欄に、

「年間100ミリシーベルトを超えなければ、体に影響は出ないとされている」とする記事が掲載された。書いていたのはまたしても前出・岡崎明子記者である(第4 前編記事掲載)。一体、どこの誰が「影響は出ないとされている」ことにしたというのだろう。

 日本の法令では、被曝を伴う仕事をする人の健康を守るため、放射線管理区域の基準を「3か月当たり1.3ミリシーベルト」と定めている。この放射線管理区域に立ち入るためには、特殊な資格が必要となる。一般人の被曝許容限度はさらに厳しく、「1年間に1ミリシーベルト」である。そして、個々の原発に対しては、1年当たり50マイクロシーベルトを被曝の目標値とするよう定められている。

 福島第一原発事故が起きるまでは、被曝に対してこれほどまでに気を使っていたのだ。にもかかわらず、原発の大事故が起きたらいきなり、

100ミリシーベルトを超えなければ問題ない”と言われても、面食らうばかりである。この記事が、事故直後の混乱期に書かれていることにも着目してほしい。この記事を読み、信じた読者は、被曝への警戒心をきっと緩めたに違いない。しかし、朝日新聞社広報部は「回答」の中でこう語る(カッコ内は筆者の注)。

「(記事は)100ミリシーベルト以下なら影響なしと断定したものではありません」まるで、記事を信じた読者のほうに責任があると言わんばかりだ。現在の朝日新聞社には、「100ミリシーベルト」という線量値に対し、異常なまでに執着する記者たちが存在する。彼らが福島第一原発事故以降に書いた記事には、「100ミリシーベルトまでなら、健康に影響なし」としか読めない文言が盛んに登場するのだ。以下、例を挙げると、

132271011分配信の朝日新聞デジタル「甲状腺の内部被曝『1歳児50ミリ未満』30キロ圏内」記事中にある、

100ミリシーベルト以上でがんが増えるとされている」との記述。

135271015分配信の朝日新聞デジタル「福島事故の甲状腺集団線量『チェルノブイリの130』」記事中にある、

「がんが増えるとされる100ミリ以下だった」との記述と、記事に添えられた解説中にある、甲状腺局所の線量が、100ミリシーベルトを超えると甲状腺がんが増えるとされる」との記述。

1442500分配信の朝日新聞デジタル「原発事故後の福島県民分析、がん増加確認されず 国連科学委」記事中にある「甲状腺への被曝が100ミリシーベルトを超えると、がんのリスクが高まると考えられている」との記述。これら3つの記事の筆者は、医療や被曝の問題を担当する同社福島総局の大岩ゆり記者(元・科学医療部)。まるで世間の常識か定説であるかのような書きぶりだが、そもそも、どういった学者らによって「…と考えられている」のかが明らかにされていないところが、全く科学的でない。それに、「…とされる」「…と考えられている」などと、語尾がすべて濁してあるのは、“これは記者自身の意見や考えでは決してないのだ”という、万一の批判に備えた逃げ口上のつもりなのだ。先に記した広報部の「回答」は、彼らが“確信犯”的に言葉を使い分けている証拠──と言うことができるだろう。

 彼らは責任を取らない。なので、読者の皆さんも、新聞記事を読む際にはそんなところにも注意を払って“自衛”していただきたい。